君とティータイム
本日は朝からお手伝いです。珍しく出掛ける予定のない沢田さんに…。
『予定がないなら俺の仕事手伝ってくれる?』
…と、言われて私は二つ返事で了解した。
沢田さんは物凄いスピードで書類に目を通していく。確か速読って言うんですよね。本当に読んでいるんですか?と疑いたくなるような速さだ。
だけど判を押した書類と、押さなかった書類に分けているから、やっぱりちゃんと読んでるんだと関心してしまう。
それにしても、こうしてボスとして仕事をこなす沢田さんを見るのは初めてかも知れない。
普段の柔らかいイメージも素敵だけど、今のように真剣な表情で仕事をしている姿も…。
(格好良いな)
何て思ってしまう。そういえば、先日知り合った笹川さんの妹の京子さんが言ってたっけ。
『ツっ君てね、女の人に物凄くモテるんだよ。特にお仕事してる時なんて、本当に格好良いの』
その時は「普段から格好良いですよ」と答えたけれど、これは納得だ。
ついついその姿に見惚れて手を止めていると…
「名前」
急に声を掛けられた。驚きの余り持っていた書類を落としそうになる。
そんな私を見て、口元を綻ばせる沢田さん。あ…表情が柔らかくなった。
「どうしたんだよ?」
「へ?」
「さっきから俺の顔をじっと見てただろ?」
どうやら完全にバレていたみたい!!
「え、えっと///」
「何だよ、見惚れる程格好良かったのか?」
「!!///」
も、もしかしなくても心を読まれていた!?もう、恥ずかしくて沢田さんの顔が見れないよ〜。
≪綱吉side≫
折角家に居るのだから少しでも長く名前と居たい。その思いで彼女に手伝いを頼んだけど…。
(集中出来ない)
綱吉の頭は名前の事で一杯だった。何せ先程から彼女の視線が痛いの何のって。これでは仕事にならないじゃないか。
好きな相手に見つめられるのは嬉しいが、何と言うか…落ち着かない。
「………」
(じー)
「………」
(じー)
「………」
(じー)
ああ駄目だ。もう限界。
「名前」
「は、はいっ!!?」