愛し的、ハロウィン

2009年ハロウィン夢。
連載【愛し夢の旅】設定です。

あっ、人間ってやれば出来るんだな・・・ ̄q ̄
朝までは何もする気なかったけどお昼から何かガリガリ書いてみた・・・
4時間くらいで書いた駄作ですが、愛しの連載の子達のハロウィン話です( ̄▽ ̄)





「「 Trick or Treat 」」




「「 は? 」」






うちとマイの言葉に、エドと無能は同時に振り返った。


そしてこれまた同時に目を見開く。





「・・・・・何だよその格好」



「・・・・・どうしたんだその格好は?」






二人の言葉にマイがニッコリと笑みを浮かべた。


マイの現在の姿は、黒い三角帽に黒マントで身を包んでいる状態だ。


ちなみにうちは三角帽だけを被っている。


まぁ正直被りたくなかったが、マイが手に持っていたお揃いの魔女の衣裳を見れば帽子だけで勘弁しろと言いたくもなるだろう。



その時の事を思い出して大きな溜め息をつくうちには気づかずに、マイは笑顔のままもう一度あの言葉を口にする。






「Trick or Treat!」



「・・・って何だ?」



「あっ、何だやっぱり知らねーのか」






エドの反応に、そうだろうとは思ってはいたがイベントごとの少ない国だと思わず思ってしまった。


そんなうちの横で、マイがハロウィンの説明を始める。





「私達の世界ではね〜今日10月31日はハロウィンって言う日なの。

子供達が仮装して近所の家を周ってお菓子を貰うんだよ。

まぁ私達の国ではあんま浸透してなかったけどね〜。

『 Trick or Treat 』って言って周るの!

お菓子をくれないとイタズラするぞ〜って」




「まぁあれだ、用は『 何かくれねーとどうなっても知らねーぞ・・・ 』って脅して、集めた物でパーティーしたりすんだよ」




「・・・リオさん、それ・・・何か違う気がする」




「いいんだよ、こいつらに教えるのなんて適当で」






マイの何とも言えないような表情をサラッと流してうちは二人へと視線を向ける。





「で、どうする?」




「はっ?どうするって・・・」



「もちろん、菓子かイタズラかだよ。

・・・・・まぁ、お前らが持ってるとは始めからこっちも思ってねーけどな」





うちはそこまで言うとニーーーッと笑みを浮かべた。


その瞬間、エドと無能は同時に視線を逸らす。





「あ〜俺、図書館でアルが待ってるから行かねーと・・・」



「あ〜私も確か仕事が溜まっていたな。」





「アルにはさっき遅れるって言っておいたから大丈夫だよ」



「今は休憩時間なんだろ?さっきリザ姉に会って聞いた」





うちとマイの切り返しに、エドと無能が固まった。


そんな二人の様子に笑みを浮かべ、うちとマイは同時にまたあの言葉を発する。








「「 Trick or Treat 」」



















「・・・・・で、何する気だ?」




どこか諦めたようなエドの表情。


マイはニッコリと笑顔を浮かべたままエドに近づいて・・・・




「えいっ!」



「っ!」



「きゃーーーちょっ、想像以上に可愛い!!!」





携帯を取り出して素早く写真を撮るマイ。


毎回思うのだが、こういう時だけは信じられないほど動きが素早い。


そんなマイの様子に驚いていたエドだがすぐに状況は思い出したようだ。






「なっ、何したんだよマイ!

・・・・って何だよこれは!!!」




「あぁ、何で取っちゃうの?!」




「当たり前だろ!!!」






顔を真っ赤にしたエドの手には・・・・猫耳カチューシャ。






「え〜だってお菓子持ってないでしょ?

だからね、イタズラ」



「イタズラってお前、っ!!!!」





急にエドが押し黙った。


赤かった顔がさらに赤く染まる。





「どうしたの?」





マイが首を傾げた。


うちもエドの態度の意味が分からず訝しげに眉を寄せたが・・・あぁっとやっと理解する。






「マイ、やっぱその格好はエドにはまだはえーんだよ」



「え〜、何で?可愛い魔女でしょ?」





そう言ってマイはうちと無能の方へと振り返り、マントを広げて姿を見せようとする。


だがそれをエドがもの凄い勢いで引き止めた。


そしてマントの前側をしっかりと合わせて中の衣裳が見えないようにする。





「マイ・・・・」



「なっ、何?」





低いエドの声と迫力に、マイが若干押されながらも返事をする。


そんなマイを見つつ、エドが凄く不機嫌そうに眉間に皺を寄せた。






「・・・・お前、まさか宿からこの格好で来たんじゃないだろーな?」




「えっ?いや、リザさんに頼んで空いてる部屋貸してもらって着替えたけど?」




「・・・・着替えて来い」




「へっ?」




「今すぐ元の服に着替えて来い」




「え〜〜〜?!何で?!

そんなに似合ってない?!」




「似合う似合わないの問題じゃねーんだよ!

いいから他の奴に見られる前に着替えて来いって!」




「え〜〜〜〜〜〜〜?!」















「何なんだ?」




マイとエドのやり取りに、無能は訳が分からない様子で首を傾げる。


そんな無能に、うちは過剰反応するエドに呆れたように溜め息を吐きつつ答えてやる。





「あのマントの下さ、黒い魔女の服になってんだよ。

肩がけっこー出ててミニのやつ」




「あぁ、なるほど・・・」






うちの話を聞いて、無能も途端に呆れ顔へと変わる。


だがそんなうちらの様子はまったく目に入っていない様子で、エドとマイの口論は暫くの間続いた・・・・・



















「おっ!そうだ忘れるところだった」




マイ達のバカげたやり取りのせいでスッカリ忘れるところだった。


危ない危ない。


うちの呟きが聞こえたのか、無能がこちらへと視線を向ける。





「何がだね?」



「何がって、・・・・・・・・イタズラに決まってんだろ?」



「っ!」







うちはニーっと笑みを浮かべると、問答無用で無能の両頬に油性ペンで3本ヒゲを書いてやった。


・・・・・この格好見られて、少しは騒がしい女達にフラれてくればいいんだよ



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