愛し的、ホワイトデー

2010年のホワイトデー夢です!
連載【愛し夢の旅】設定。
一応バレンタインのその後って感じかな・・・
短いとか駄文だとか今更今更( ̄▽ ̄)(←・・・)





「・・・・・・・何だこれは」







部屋の中の様子を見るなりリオが問いかけた。


いつもより低いその声が今のリオの不機嫌さを表しているのだが、大佐はそれに気付かない。


よほど自信があるのか浮かれているんだろう・・・


だから大佐は笑みを浮べたままリオの問いに答える。







「バレンタインのチョコのお返しだよ。

今日はホワイトデーという日なんだろう?」




「そーだけどよ・・・・・お前は馬鹿か?」




「なっ?!」








リオの言葉に途端にショックを受ける大佐。


しかし不機嫌なリオの言葉がそれだけで収まるはずが無い・・・


両手を腰に当て、顎で部屋の中を示しながら強い口調で続ける。







「こんな部屋中に花を敷き詰めやがって、酔ってワゴン全部の花を買って来たの間違いじゃねーのか?!」





「いっいやこれは君のためにだね」





「つーか、何で花なんだ?

すぐ枯れちまうし、食えもしねーし、何を基準に選びやがった」





「そっそれはだね・・・」





「そもそもうちの部屋には花瓶なんてねーんだぞ?

この馬鹿みてーにある花をどーしろって言うんだ?」





「なっなら花瓶も」





「うちの部屋を花瓶だらけにするつもりか?

どんな新手の嫌がらせだよ」





「いや、そんなつもりは」





「持って帰れ」






「なっ?!いや、だがしかし」





「聞こえなかったのか、持って帰れ」













容赦が無い。


反論は一切受け付けないといったリオの姿勢に、さすがに大佐に同情する。


しかし口を出す気は一切無い。


あれがあの二人の毎度の様子だ。


下手に口を出してこっちまで火の粉が飛んで来るのはごめんだ。


俺は少し離れた所からその様子を見つつ呆れ混じりに呟く。








「相変わらずすげーやり取りだな・・・」





「ねーーー。リオったらかーわいーーー」




「はっ?!可愛い?!」









マイの口から出てきた言葉に驚きの声をあげる。


どこをどう見たらあのやり取りから可愛いという言葉が出て来るんだ?!


そんな俺の疑問に、マイはニコニコと笑みを浮べたまま答える。







「だって〜、あれって絶対ヤキモチだよ?」




「・・・あれがか?」







俺の視線の先には、大佐に花を撤収させているリオの姿。


一応確認のためにマイの視線の先を追ってみるが、やはり行き着く先はその光景だ。


どう見ても俺には虐げているようにしか見えない。


しかしマイは俺の問いにしっかりと頷いた。







「だって、リオの性格だけを考慮したら花をプレゼントしようなんて思わないでしょ?

今までの経験上から大佐が花を選んだんなら、リオとしては面白くないもんね〜」





「そういうもんか?」





「そういうもんだよ!

ああ見えてリオも独占欲強いからね〜

・・・・・まぁリオに自覚があるかは分かんないけど」








苦笑を浮べるマイに、俺も改めて二人へと視線を向ける。


言われて見れば納得出来る部分もあるが、やはり理解できない部分もある。


だがこれで何だかんだと上手くいっているのだから、いいんだろうと無理やり結論付けた。


そして自然と俺の視線が次に向かったのはマイの手元で・・・・・







「・・・・お前はそれでいいのか?」




「えっ?私?

うん!

エドが私のために選んでくれた花なんでしょ?

凄く嬉しい!」







そう言って、大佐の用意した量の10分の1にも満たない花束を大事そうに抱えなおすマイ。







「・・・ならいーけどよ」







その嬉しそうな笑みに、どこか照れ臭さを感じて視線を逸らした。



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