Gaming


〈To be continued...〉


このカルデアという場所に属するマスターに召喚されてからというもの、今までで一番楽しい時を過ごしていると言っても過言ではない程に充実した日々を送っている。

「王よ、暇じゃありません?」
「暇だといつも我の部屋に来るのは何故だ、キャスターよ」

そうは言うが、王は怒っている風ではない。「仕方ない、我を楽しませよ」と王者の風格で笑みを浮かべる彼女は何とも可愛らしい部分もある。

「王に暇を潰していただくために、今日はチェスなんていかがでしょう?」
「またチェスか…」

ここ数日、マスターからの招集がない時はずっとチェスをしているのだから彼女が落胆する気持ちも分かる。そっとチェスセットを取り出してみると、溜め息を吐きながらも「良かろう」と王は言った。

「さて王、負けませんよ。56勝56敗10引き分け…今日こそ勝ち越してみせます」
「それは我の台詞だ。今日こそ参ったと言わせてやる」

白黒それぞれの駒を配置に並べ、ゲームを始める。彼女は勝負において、例え負けていたとしても勝ち越すまで続けるタイプの人なのはよく知っている。だからこそ、彼女とこうして暇を潰す時間は楽しい。

「何だか、だんだん私の思考が読めてきていますよね?」
「そりゃああれだけ、勝負を重ねれば嫌でも分かってくる。セヴリーヌも痛い所を突く攻め方をするようになった」
「王のこと、よく見ていますからね」

そう言えば、彼女は「気持ち悪いな」と零したが顔は穏やかだった。そんな時である──私たちのマスターから招集が掛かりマシュが呼びに来たのは。少し残念ですが、今日のところは56勝56敗11引き分けのようです。



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -