お手柔らかに
“ポケモンバトルもどき妄想”
「ご機嫌麗しゅう、ズミさん。まぁ、バトルだなんて…私に勝てるとお思いで?」
「セヴリーヌ、あなたを四天王チャレンジャーとして私が迎え撃ちます」
「あら、自信がおありなのですね…」
「あなたも優劣が分からない程馬鹿ではないでしょう」
「まぁ、そんなので私を屈させることが出来るとお考えなのだとしたらあなたもまだまだ甘いですね」
「タイプの優劣、それがどれだけバトルに影響を与えるかを教えて差し上げます」
「そこはさかさバトルでしょう?」
「都合が良すぎますよ、セヴリーヌ…」
「ま、水タイプと氷タイプに大した優劣なんて無いに等しいくらいですから…」
「だからといってさかさバトルはなしです。諦めてください。さ、始めましょう」
「ええ」
「ではあなたにも問いましょう。ポケモン勝負は芸術足りえるでしょうか?」
「あなたの中で答えが出ていることを他者に問う行動の意味、分かりかねます。ズミさん、愚問です。」
「ふ、私は料理が作れども消えゆく様に、ポケモン勝負も終わればその記憶は消えゆくもの、そこに全身全霊を打ち込む生き様はまさに芸術だと考えます」
「ええ、とてもあなたらしい答えだと思います。私は好きです、その考え方。だから氷づけにしていつまでも眺めていたくなってしまいます。ふふふっ…凍りなさいあなたもポケモンも…」
・・・
「満足ですか?セヴリーヌ」
「はい、とても楽しかったです。」
「ポケモンリーグチャレンジャーの雰囲気を味わいたいだなんて、急に言うので驚きました、全く。」
「ええ、でも私は溺れ死ぬかと思いました、この仕掛けで。」
「そんな中であなたは恐ろしくニコニコしてましたけどね?」
「そんなことないですよ」
「後、氷づけはやめてくださいね」
「言葉だけですから気にしないでください、ズミさん。あ、でもここにある水を使えばそれも出来ちゃいそうですね!」
「あながち言葉だけな気がしないのですが…」