Treasure | ナノ


『6300のキリ番ゲット』

written by 乃樹様

「ですから、さっきも言いましたように」

「わかっています、さっきも聞きました
でも…っ!」

さっきから大気の部屋から
喧嘩してるような声が聞こえる
あの2人が喧嘩するなんて
珍しいと思った

あんなに声を荒げて
どうしたんだろ
横にいた美奈も心配していた

「どうしたのかしら
あの2人があんなに大きな声で
言い争っているなんて…」

「さあ。こっちに
被害が及ばなければいいけど」

星野達が喧嘩すると
僕らまで巻き込まれる
大気たちにまで
巻き込まされたくない

しばらくすると
水野が出てきて帰って行った
少ししたら大気も出てきたから
何があったのか聞いた

「は…?浮気?」

「そんなことしたんですか
大気さん」

「そんなことするわけが
ありません」

「じゃあどうして
亜美ちゃんはそんなことを?」

「恐らくこないだのドラマのロケの休憩時間に
相手役のかたと街を歩いていたんですが
それを亜美さんが
見られたのだと思います」

「じゃあ亜美ちゃんの思い込み?」

「ええ」

「へえ、水野もそういうところあるんだ」

意外、と付け加えたら
美奈が食いついてきた

「何言ってるの!夜天君!
亜美ちゃんが私たちの中で
一番乙女なんだからっ」

意味をはかりかねた

大気も首を傾げていた

「どーいうこと?」

「だ・か・ら!
亜美ちゃんが一番
思い込みが激しいところがあるのよ」

「な、成る程。では、どうしたら…?」

「…そこなのよねー」

あの亜美ちゃんだからなあ
なんて言いながら
美奈は思いっきり考え込んでいた

…あれ?
思いっきり
巻き込まれてない?僕たち

まあ、そんなこと
今更言えそうもないから
黙っていることにした

考えても思いつきそうにないし

「とりあえず…」

美奈が言いかけたその時だった

たまたま付けていた
テレビのワイドショーのニュースが耳に届いた

『では続いて
あの女優に熱愛発覚でしょうか?』

そしてテレビに映ったのは
水野が大気と浮気したと勘違いした相手だった

『お相手は2つ年上の俳優で…』

全員安心してひとつため息をついた

「大気、行ってきなよ水野のとこ」

「ええ…!」

大気は大急ぎで家を出て行った

やれやれ…

横では美奈が「よかったね」
なんて言いながらにこにこしていた





夜天に言われて
家を飛び出したものの
携帯にも家にも連絡がつかない

(何処にいるのですか…亜美さん)


しばらく探したときだった

通りかかった
人気のない小さな公園に
亜美さんはいた

キィ…と響いたブランコの音
まさかと思って目を向けた先に
亜美さんはいた

気付かれないようにそっと近づく

「亜美さん」

声をかければびく、と肩が動いた

「大気…さん」

目には涙

私は何回あなたを
泣かせてしまうのでしょうか

「亜美さん、あの」

言いかけたそのときだった

「ごめんなさい!」

亜美さんが突然立ち上がって
頭を下げた

「私…あの…っ」

「亜美さん
こちらを向いてください」

と言っても中々向いてはくれなさそうだったので

顎をくい、と持ち上げて視線を合わせた

「わかっていただけたのならいいのです」

「大気さん…」

ふわりと彼女を抱きしめた

「亜美さん、誰よりも
あなたのことを愛しています
だから…ずっと傍にいてください」

「はい…っ」

少し力を入れて
亜美さんを抱きしめた



離したりはしませんよ


何があっても…


私はあなたの傍にいます






またもや乃樹様から戴きました!

いつもありがとうございます☆

「いつものごとく大亜美で、ケンカしちゃう二人の話が読んでみたいです。」と、リクしたところこんな素晴らしいおお話を書いていただきました!

ヤキモチ焼いちゃう亜美ちゃんが可愛いです!

夜美奈がいい味出してます♪

乃樹様本当にありがとうございます!



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