夜天×美奈子 | ナノ




想い
〜YATEN side〜


「赤いリボンのうるさい奴」
最初の君は
そんな印象しかなかった

元々『地球人』が
好きじゃなかったからね

プリンセスを捜す為に
“夜天光”に
『男』になって

プリンセスを捜す為に
“スリーライツ”になった

プリンセスを捜す為に
仕方なかったとは言え
正直面倒だった

ただプリンセスに
プリンセスだけに
届けば良かったのに…

他の人間なんか
ホントにどうだって良かった

そのはずだったのに…

いつの間にか
君の存在がやけに
気になるようになった

ホントに
意味が分からなくて

僕が他人の事が
気になってるなんて
認めたくなかった

一体どうしたんだよ?
“これ”は
“夜天光”は
『仮初め』なんだよ?

プリンセスを見つければ
いなくなるんだ

地球からも
君の前からも

こんな気持ち
『他人の事が気になる』なんて
『特定の女の子が気になる』なんて
あるわけない
あっていいわけがない

僕は…
君の事なんか
なんとも思ってない
思うわけがない!

そう思ってたけど
時間が経てば経つほどに…
気持ちを否定すればする程に…
君がどんどん僕の中に入ってきたんだ

どんなにあしらっても
どんなに邪険にしても
笑顔で僕に話しかける君が
頭から離れてくれなくて…

セーラー戦士だってわかった時は
驚いて柄にもなく動揺した

普段は馬鹿っぽいのに
戦士としての君は
気高かった

そう思って
ちょっと見直したら
アイドルオーディションなんか受けてるし…

「やっぱりこいつ
ただの馬鹿なんだ」って
本気で思った

でも一生懸命な君は
誰よりも眩しくて
輝いてた

気高くて
綺麗で
まさに“ヴィーナス”だった

僕が自分の
本当の気持ちに気付いたのは

ギャラクシアに
スターシードを
奪われて…
君が僕の前から
消えた瞬間だった

プリンセスが消えた時とは
違う喪失感だった



はじめての感覚…

言葉で表せないほどの…
絶望感だったんだ

その時は
誰よりも――セーラームーンが
感情を爆発させたから
逆に僕らは
落ち着けたんだ

戦いが終わって
プリンセスが
僕らの元に戻って来て

君も戻ってきて

それから
街が元通りになって

僕らは
自分達の星に
キンモク星に
還るために
地球を去る事になった

元から決まっていた事だった

むしろ早く帰りたかった
――はずなのに

もう君に
会えなくなるのかって
考えたら
“寂しいな”って思ったんだ

もう会えないんだったら
後悔はしたくない

そう思った僕は
君に想いを告げようと
決めた

ズルいと…思う

想いを告げて
僕は君から去るのに…

でもさ
言わない後悔はしたくない

僕は星野みたいに
馬鹿みたいに
まっすぐには
なれない

大気みたいに
相手を思いやって
気持ちを抑えるなんて
できない

子どもじみててもいい



「お願いだから
 口を挟まないで
 聞いて欲しいんだ」












夜天君サイドです。
私の中の夜天君のイメージはさらっと思った事を言っちゃう人です。

夜天君と美奈Pは一番絵になるイメージです。
銀髪と金髪の組み合わせって無敵ですねぇ♪

ライツが帰る前にくっついたのはここだけなので…



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