大気×亜美 | ナノ




想い
〜TAIKI side〜


彼女の声

彼女の涙

彼女の笑顔

すべてが――愛しい



私達が
自分達の星に
帰ることを告げた時

一瞬
泣きそうに
瞳が揺らいだ

それを
必死でこらえて

精一杯の
笑顔をみせて

「本当に
 良かったです」

そう言ってくれた



その笑顔が
切なくて

愛しくて
――抱きしめたい

そう思った

だけど
私は
生まれた星に帰る

そうすれば
きっと彼女には
もう――会えない

私達に
“地球に残る”という
選択肢は――ない

プリンセスと共に
星に帰り
キンモク星を
復興させる

そして
私達はそこで
戦士として生きる



だから
この想いを
伝えても――

もし彼女が私を
好きで
いてくれたとしても

離れ離れに
なってしまう

彼女に
悲しい思いは
させたくない

抱きしめてしまったら
この想いを
抑えられない



だから



「みなさんお元気で」
そう言って
地球から
――彼女から
去った

そして
彼女への想いに
蓋をしようと
決意した

“大気光”は
地球で
プリンセスを
探すための
偽りだった

本当の“私”は
戦士だ

だから
“大気光”としての
想いも──偽りだ

そう
思い込もうと決めた

それでいい
そうでなければ
ならない

そうすれば
いつか
彼女を
思い出に
できるはずだ



キンモク星に戻り
戦士として
毎日が
慌ただしく
過ぎていった

それでも
変身を解いて
戦士から
“大気光”に
変わった時には

いつも
彼女のことを
想った

元気でいるだろうか?
笑顔でいるだろうか?

あぁ
蓋をするなんて
思い出にするなんて
偽りだなんて
――無理だ

こんなにも彼女を
想ってしまう



そしてある日
私達は
地球へ
行くことになった



“もうキンモク星は
 大丈夫です
 今度はあなたたちが
 戦士としてではなく
 人として
 愛する人のために
 いきなさい”



プリンセスの
その言葉を胸に
地球に戻った





まさか
戻ってくるとは
思っていなかった

また
彼女に会えるとは
思っていなかった

言いたかったことは
たくさんある

だけど今は
「お久しぶりです」

彼女に会えた
嬉しさで
こんな事しか
言えない



驚き
目を丸くして
私を見つめる彼女

そして
涙をこぼしながらも
笑顔をみせた

今までみた
彼女の笑顔の中で
一番キレイだと思った



――あぁ
  本当に
  どうしようもなく
  彼女のことが
  好きだ



走り出した
気持ちは
もう止まらない

この想いを
あなたに伝えよう

“亜美さん
 聞いていただきたい
 お話があります”








読んでくださってありがとうございます。
駄文でごめんなさい。
遅くなってごめんなさい。

いやぁ〜…亜美ちゃんはまだ書きやすかったのに大気さん難しかったぁ…
亜美ちゃんへの想いを募らせ悶々とする(?)大気さん。
大気さんは一度は亜美ちゃんへの気持ちを抑えたと思うんです。
でもやっぱりダメだったってところを書きたかった。

お粗末さまでした!



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