大気×亜美 | ナノ




今度までには

誰よりも愛しい彼女を祝うための計画は完璧だった。
当日は学校だから前日にケーキのスポンジを焼いておいて帰ってきてからデコレーションするつもりだった。
星野と夜天に言っておいたので 彼女と二人きりで過ごすための手回しもぬかりなかった。
そして仕事のスケジュールもなんの問題もなかった、はずなのだ…

「はぁっ、はぁっ…くっ」
夜の街を走りながら大気の脳裏に昨日からの出来事が思い出される。


「……何事、ですか?」
部屋で新曲の作詞をしていたところ、これまで家の中では聞いたことのない――まるで何かが爆発するような音が聞こえリビングに行った大気は目の前の状況に目眩を覚えつつ聞いた。
「いやぁ…これは…そのぉ…なんでかどっかーん…って…」
爆発犯のひとりであろううさぎがしどろもどろに何かを説明しようと試みたのを
「クッキー焼こうとしたらオーブンがどっかーんっ!って…ねっ?うさぎちゃんっ!」
もう一人の爆発犯であろう美奈子が説明する。
「「なんでか知らないんだけど!」」
妙に息の合った二人のやりとりに大気はげんなりしながらもそれを表には出さずにオーブンから飛び散ったもので汚れている二人にシャワーを浴びてくるように言うと素直に浴室の方へと向かっていった。
片付けていると出てきたうさぎと美奈子がおずおずと謝りながら「何かお手伝いできることは?」と聞いてきたが大気は大丈夫ですと言って一人で黙々と片付けてなんとか綺麗になった。
そしてうさぎと美奈子がどうしてもクッキーを作りたいと言ったため、大気は「次は爆発させないでくださいね」と言って部屋に戻ったのだが、それから程なく部屋がノックされた。
「星野?お疲れさまです」
そこに仕事から帰ってきたらしい星野がなんとも言えない表情で立っていた。
「あぁ、お疲れさま。わりぃな…おだんご達が……」
「あぁ、さっきの爆発でしたら綺麗に片付きましたし別に構いませんよ」
「いや、そっちもなんだけど、な…」
珍しく歯切れの悪い星野に眉をひそめた。
「あーっと、な…さっきのその爆発でオーブン……壊れた…ぽくて、だな…動かねーんだよ…」
その言葉に一瞬思考が停止した。
「……は?」
大気がキッチンに行くとうさぎと美奈子が見守る中、夜天がなにやら色々としていたが…
「あー…これもうダメだね…修理に出すか新しいやつ買うしか……あ、大気…タダイマ」
「おかえりなさい。お疲れさまです」
「ありがと…大気も、お疲れさま」
夜天もなにやら困ったような表情を見せた。
「あの…さ…コレ…もうダメっぽい…」
「そのようですね…」
大気がさすがに隠しもせずにため息をつくとうさぎと美奈子が申し訳無さそうな表情で謝った。
さすがの星野と夜天もフォローに回れずに大気の顔色を伺った。
うさぎと美奈子のクッキー作りはともかくとして大気が亜美に手作りケーキを作ることを聞いていたためだ。

夜には大気にソロの仕事が入っており星野が新しいオーブンを買いに行ったのだが三ヶ月ほど前に新機種が出ており元々あった機種はなくなってしまったらしく、使い勝手も大きく変わったとの事だった。
大気からも「オーブンによってクセがあるので同じ機種じゃないならいりませんからとりあえず修理の見積もりを立ててきてください」と言われていた。
仕事を終えて帰ってきた大気にうさぎと美奈子だけでなく、もれなく星野と夜天まで頭を下げて謝った。
「仕方ありませんね。わざと壊したわけではないんですから…。ケーキは買うことにしますよ」
大気が苦笑気味に言うと、四人は申し訳無さそうな表情を見せた。

これが引き金となったのかどうかはわからないが完璧だった計画が崩れ始めることになるとはこの時の大気は思ってもいなかった。

次の日の朝、いつまで経っても起きてこない夜天を起こしに行った星野が血相を変えて飛び出してきた。
「大気っ!」
「なんですか…朝から騒々し「夜天のやつすげぇ熱だ」っ!?」
二人が彼の部屋に入るとぐったりとした夜天がいた。
「夜天大丈夫ですか?」
大気が声をかけるとうっすらと目を開く。
「あ、たい、き…おはよ。だいじょう…ぶっ」
夜天はのろのろと身体を起こしたもののすぐに撃沈する。
「あ、れ?なに、これ?」
「熱、測った方がいいですね」
夜天の額に触れた大気が眉をひそめる。
「体温計取って来たぞ」
「ありがとうございます。夜天、熱測ってください」
「ん……」
夜天は素直に熱を測る。

「困りましたね…」
38.6℃と表示された体温計を見つめて大気が呟くと、星野も頷く。
「あぁ…」
二人がこんなに真剣なのは夜天の仕事の件だ。
「とりあえず社長に電話して事情を話します。星野は氷枕とかの用意をお願いします」
「わかった」
そう言うと二人は夜天の部屋を出て、大気は自室、星野はキッチンの方へと進む。
「もしもし、おはようございます。大気です…実は…………」



「え?大気さん学校お休みなのかい?」
「えぇ、急にお仕事が入ったらしくて」
登校途中で見知った後ろ姿を見つけたまことが追いつき「今日の放課後は大気さんとのデートだよね」と聞いたら少し困ったように首を横に振ったのだ。
「そっかぁ…そうなんだ…」
さみしそうに言うまことに亜美がくすりと笑う。
「まこちゃん残念そう」
「そりゃあ…っていうかなんで亜美ちゃんは平気なの?せっかくの誕生日なのに…っ!」
亜美が長い睫毛を震わせたのを見てしまった、とまことは思った。
「あ、ごめん…」
「ううん」
ふるふると首を横に振って少しさみしそうに笑う。
「お仕事だもの」
「亜美ちゃん……」
「それにね」
少し俯いた亜美の頬が淡く染まる。
「大気さん日付けが変わったらすぐに電話くれたの///」
そう言って本当に嬉しそうに微笑んだ亜美の笑顔にまこともつられて微笑む。
「そっか。良かったね」
「えぇ」
それから程なく学校についた二人は遅刻ギリギリで登校してきたうさぎから休み時間に夜天が熱を出していることを聞き、大気にも緊急の仕事が入った理由を知った。
(それで大気さん…あんなに申しわけなさそうだったのね)
朝の電話は大気はよほど切羽詰まっていたのか、どうしても自分が行かなくてはいけなくなったことと、夜はライツマンションで二人きりで過ごそうとしていたのがダメになってしまったことを亜美に謝った。
『本当にすみません』
「いえ、そんなに謝らないでください」
『仕事が終わったら必ず会いに行きますから』
大気の真剣な声音に思わず「はい」と答えた。

「でね、夜天君だけが出るはずだった生放送のテレビに一人じゃ心配だからって大気さんも一緒に出るようにって社長さんから言われたんだって」
「そうなのか、大変だね」
「うん…星野が、ね…『俺が行けたら良かったんだけどな』って言ってたんだけど」
星野は今スペシャルドラマの撮影で忙しく、大気は本来なら別件で仕事が入っていたのが先方の都合で日を改め一日前倒しになったのだ。
ちなみに大気が何かをしたわけでは決してない。
そんな経緯もあり社長の「たまには夜天だけで出てみろ」という鶴の一声で一人での生放送出演のはずだったのだ。
しかし夜天の体調不良と大気がオフになったことで社長の「じゃあ大気も一緒に出るか?今回は新曲の宣伝なんだし、な?」の一言で決まったのだ。
もちろん番組サイドから反対の声が出るはずもなく大気の生放送出演が決まった。
番組は夜の八時から一時間。

「大気…ごめん」
リハーサルを終え病院へ行き解熱剤を打った夜天が控え室に戻るなりそう言うと大気が苦笑する。
「何を謝っているんですか?リーダー不在でもライツの人気を見せつけるチャンスですよ?」
「そんなの僕ひとりでも見せつけられるよ…そうじゃなくて……」
夜天が言いかけると大気がふっと笑う。
「夜天は体調の悪い仲間を放っておいて自分をとったなんて亜美が知ったら、どうなると思います?」
「え?……あー…怒りそう…」
「でしょう?」
少し思案した夜天のその反応に大気はくすくすと笑う。
「それより調子はどうですか?」
「解熱剤のおかげで今はだいぶマシ」
「良かったです」
「……ありがと…」
「いえ。とりあえずしっかりと本番を乗り切りましょう」
「うん。そうだね」
大気の言葉に頷いたあと夜天がそれとと言葉を続ける。
「本番が終わったら僕はタクシーで帰るから大気はそのまま水野のところに行きなよ」
「そういうわけにはいかないんですよ…それが」
「は?」
「亜美に言われました。夜天君の具合が悪いんだからちゃんと看病してあげないとダメです……と…」
大気が苦笑すると夜天ががっくりと項垂れる。
「バカ…じゃないの……自分の誕生日に人の心配してるとかどんだけお人好しなんだよっ!」
「亜美ですから」
「なんで笑ってられるのさ!」
「亜美らしいなぁ、と」
「ウルサイよ!水野馬鹿!───っ」
「ほら、あまり興奮すると熱上がりますよ」
「っ、誰のせいだと」
「私のせいではないですよ?そもそもの体調管理を怠った自分のせいでしょう?」
“にっこり”と笑いながら言う大気に夜天は黙る。

(そっか…そんなの当たり前だよね)
大気は亜美に会いに行きたいだろうし、亜美もきっと……。
それを自分の体調不良のせいで…大気に仕事が入ってしまったのだ。
(もし、今日が美奈の誕生日で僕が同じ立場になったらきっと……すごく八つ当たりしてたと、思う)
それを大気は何も言わずにこなしているのだ。
「……大気」
「なんですか?」
「あのさ――」



――午後八時

亜美は自宅の広いリビングでひとりテレビを眺めていた。
今日は柊雪音が自身の演奏会で遠征中のためハープのレッスンがなく、家で自主練をするように、と言われていたためだ。
放課後にうさぎとまことがクラウンに誘ってくれて、そこでレイとも合流し美奈子も含めて改めて誕生日会をするとしてもせっかくだからと言ってケーキセットをごちそうしてくれた。
と、言うよりは自分の分を出そうとしたら三人に「ダメッ!」と言われてしまったのだ。
それを思い出して亜美はくすりと笑う。
すると、テレビからきゃーっと声が聞こえハッとする。
夜天だけでなく急遽大気も出演することとなり会場からはひときわ大きな拍手が起こる。
今回出演しているのは歌番組ではなくバラエティ番組だ。
夜天は朝から熱があったらしいが、そんな素振りは一切見せない。
普段口では「めんどくさい」などと言いながらもさすがプロだ。
滞り無く番組は進んでいく中、大気の笑顔が亜美の胸を締め付ける。

「今日は来ちゃダメです」
夕方に大気から電話がかかってきた時にそう言ったのは自分自身だ。
『…………は?』
大気はきっと驚いていたのか、冷静な彼にしては反応が随分と遅かった。
「夜天君が体調を崩してるってうさぎちゃんから聞きました。今日のお仕事もそれで、なんですよね?」
『それは、そうですが…』
「だったらお仕事が終わったらすぐに夜天君を連れて帰って看病してあげてください」
亜美の声音に本気の色を感じ取ったのか大気が小さく息をはいたのが分かった。
『譲る気は…ないんですね?』
「ありません」
亜美は即答した。
『………………』
もし大気がここで具合の悪い夜天を放っておくようなら……
『わかり、ました……』
きっと自分はこんなに“大気光”というヒトに惹かれなかっただろうと思う。
『亜美』
「はい」
『誕生日、おめでとうございます』
「ありがとうございます」
大気の少しだけ拗ねたような口調に亜美は少しだけ笑った。



誕生日に二人きりでマンションで過ごそうと誘われた時とても嬉しかった。
仕事が入ってしまったけれど、終われば会いに行くと言ってくれたことも。
でも、大気の家族同然の大切な仲間で、自分の大切な親友の恋人で、自分にとっても友人である人が具合が悪いのに自分だけ幸せな時間を過ごすなんて、亜美には出来なかったのだ。
それでも
(自分から…来ないでって言ったくせに……)
テレビ画面の向こうで微笑む彼は、今誰よりも会いたい人で…
(あたし、今…すごく嫌な子だわ…)
亜美はクッションに顔を埋める。
そうこうしているうちに番組は無事に終わりに近づき、大気と夜天が来月発売するCDの宣伝をしてエンドロールが流れた。
亜美はテレビを消すと、自室に戻りハープの自主練を始める。
ベイビーハープを抱え旋律を奏でる。

――♪〜〜〜♪

はじめは音に迷いが現れていたがいつの間にか余計な考えは取り払われていき、気が付くと時計は午後十時半を指していた。
亜美は慌てて入浴を済ませて、ベッドに腰掛けて本を読んでいた。
ふと時計を見るとあと二十分ほどで日付けが変わろうとしていた。
「そろそろ寝ないと」
誰にともなく呟いてそっと布団に入り目を閉じる。
寝付きが悪い方ではないのだがどうしてだか眠気がやってくる気配がない。
それでも、と、瞳を閉じて眠ろうとする。
「……大気、さんっ」
無意識に名前を呼ぶ。
会いに来てくれるわけがないのに…。

――ピンボーン

「……え?」
時計を見ると十一時五十六分。
こんな日付けも変わろうかという時に一体誰が?
いや、大気に会いたい気持ちが産んだ幻聴の可能性も――

――ピンボーン

再びチャイムの音が聞こえた亜美はベッドから抜け出すとそっと自室を出てエントランスと繋がる受話器を手にとった瞬間「亜美」と大気の声が聞こえた。
「きゃっ!」
と、思わず悲鳴を上げてしまう。
「大気さん!?」
『開けてください』
「え?」
『とりあえず開けてくださいっ!』
「わかりました」
大気に言われるままオートロックを解除すると、しばらくして玄関のチャイムが鳴る。
亜美が鍵を開け大気が勢い良くドアを開けた瞬間――水野家の時計が日付けを変わったことを知らせる音が静かな部屋に鳴り響く。
扉を閉め鍵をかけた大気がその場にズルズルと座り込む。
「あぁぁぁっ」
「大気さんっ!?大丈夫ですか?」
大気の前に亜美もしゃがみこむ。
「エレベーターが下にあればあと三十秒は早かったはずなのに…」
低い囁きに目を丸くする。
「大気、さん?」
大気はゆっくりと顔をあげ亜美を見つめる。
「あの…っ」
「すみません…っ、誕生日、間に合いませんでした」
「そんなの……大気さんのせいじゃないです」
亜美が静かに首を振る。
「それに、大気さんすごく急いで来てくれましたよね?」
「え?」
「髪、乱れてますよ?」
「あ…すみません」
大気が慌てたように言うと亜美がくすくすと笑う。
「謝らないでください。そんな風に急いできてくれただけで、本当にすごく、嬉しいです、から///」
そう言って恥ずかしそうに大気から視線を逸らせる。
亜美の反応に大気はふっと笑う。
「大気さん?とりあえず上がって、まずはゆっくりお風呂に入ってきてください、ね?」
「ですが…」
「いいですから、ね?話はそれからです」
亜美の優しい笑顔に少し落ち着いた大気はお邪魔しますと挨拶をして部屋にあがらせてもらうと有無を言わせず浴室へと入れられた。
「後で着替えとバスタオル置いておきますから」
「ありがとうございます」
亜美が出て行ったあと大気は鏡を見ていつもしっかりセットしてる前髪が崩れている事に苦笑する。
「見られたのが亜美だけで良かったですね」

入浴を済ませ亜美の部屋に入ると冷たい麦茶を入れてくれたので半分ほど飲んでグラスを置く。
「あの…大気さん…」
亜美が何やら言いにくそうに言いよどむ。
「どうしました?」
「その…言い忘れてたんですけど」
「はい」
「遅くまでお仕事お疲れさまでした…って」
「――ふっ」
「笑うなんてひどいですっ///」
真剣な表情で切り出すものだから何事かと思えば、そんな些細な言葉をいつも忘れずにいてくれることが本当に嬉しいだなんて、亜美は知っているのだろうか?
「ははっ、いえ、可愛いなぁと、くくくっ」
「もうっ」
「すみません。拗ねないでください」
大気は笑って亜美の髪をくしゃりと撫でると、真面目な表情を見せた。
「さっきは情けないところをみせてしまいました」
「いえ」
「……いいわけにしか、ならないんですが……本当はもっと早くに来られるはずだったんです」
「ちょっと待ってください」
亜美が少し鋭い声で待ったをかける。
「はい?」
「夜天君…は?」
「亜美は愛野さんがこの状況でおとなしくしていると思いますか?」
大気にそう言われて「あ、やっぱり」と思った。
今日は美奈子も仕事で会えなかったがおそらくは彼女が夜天のところに行くかもしれないとは思っていた。
「夜天が自分から呼び出していましたよ。それより亜美は今日のテレビを見ましたか?」
「はい。八時からのやつ、ですよね?」
「その後は?」
「え?見てません、けど」
「ふむ…実はその後も生放送だったんですが、急遽私だけその番組に出ることになったんですよ」
「え?」

そう言うと大気は順を追って話し始めた。
九時からの番組に出るはずだった役者が怪我をして穴が空くのは避けたいとのことで大気か夜天のどちらかに出て欲しいと言われたのが八時からの生放送開始直前だった。
夜天は今のところ熱が下がっているが無理をさせるわけにもいかず大気が出ることとなった。
夜天は「僕はタクシーで帰るし、マンションには美奈が来てるから“なんの”心配もいらないよ」と言ってくれた。
いつも一時間の番組がスペシャルで二時間となったため、収録が終わったのが十一時前。
そこから出演者に挨拶をすませ急いで出てきたのだが…

「事故があったらしく…道が混んでいたので途中で車をパーキングに入れて走ってきたんです」
「そんなに急がなくても」
「私が、どうしても間に合わせたかっただけなんです」
「大気さん」
「……メイカーに変身すれば、充分間に合ったとはわかっているんですが…」
大気がそこまで言って少し亜美から視線を逸らせる。
「笑わないで、くださいね」
「え?はい」
「嫌だったんです」
「何、が…ですか?」
「窓からだと亜美に先に会うのは“私”ではなく“メイカー”になるでしょう?」
「───え?」
「それが、嫌だったんですよ」
大気の言葉に驚いていた亜美だったが、すぐに意味を理解して耳まで真っ赤にして視線を逸らせる。
「亜美」
「はいっ///」
「こっち向いてください」
「む、むり、ですっ///」
いやいやと首を横に振られた大気が少しムッとして正面から亜美の隣に移動すると、彼女の肩を抱き寄せくいと顔を上げさせ目線をしっかりと合わせる。
「っ!」
「亜美」
「は、はい」
「日にちは変わってしまいましたけど、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとうございます///」
亜美が嬉しそうに綺麗に微笑むと、大気も優しい笑顔を見せる。
「ケーキ、どこのお店も閉まってて…すみません」
「いえ」
「オーブンの修理が終わったら日を改めて作りますから待ってください」
「わかりました」
うさぎと美奈子から話を聞いていた亜美が楽しそうにくすくすと笑う。

「でも、プレゼントは今受け取っていただけますか?」
「はいっ」
プレゼントを手渡すと、亜美はそれをそっと開ける。
「わぁ♪」
亜美の嬉しそうな反応に大気は安堵する。
「見た瞬間に亜美の色だなぁと思って」
「すごく嬉しいです。ありがとうございます、大切にします」

亜美が見つめる視線の先にはサファイアのピアスとブレスレットがキラリと輝いていた。






水野亜美ちゃんお誕生日おめでとうございます!

間に合いましたっ!

ここまでお読みくださった方、ありがとうございますっ!

一番悩んだのはプレゼントでした。
時計や香水はもう出したので、前に亜美ちゃんが大気さんにピアスをプレゼントするお話を書いたので、大気さんも亜美ちゃんにピアスをプレゼントすればいいなって思ってそうしました♪

あえて誕生日に間に合わなかった話も書いてみたくて、いや実際いきなり生放送出演するなんてことはないと思いますが、まぁ、そこはぬるく流してやってください



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