▼窓から見つめる君 〈諒side〉 授業中あまりに退屈なのでふと運動場を見下ろした。 ──冴子のクラスだ。 50m走のようで冴子は髪が邪魔にならないようにポニーテールにしている。 色素の薄い髪は太陽の光を浴びて、キラキラと金糸のように輝いている。 ──目の保養だ。 冴子がスタートラインに移動してクラウチングスタートの姿勢をとる。 パァンとスタートの音と共に綺麗なフォームで走る。 思わず見惚れていたら…… 「こら水沢ー。そんなに他のクラスの体育が気になるのか?」 と、先生に注意されてしまった… クラス中の視線が俺に集中する。 中でも、神原さんがおもしろいものを見たと言わんばかりの視線をくれた… ──お願いしますから冴子さんには言わないでクダサイ |