▼ポッキーゲーム 【大亜美】 「亜美、ポッキーゲームをしましょうか?」 「え?いや…です」 「なぜ即答なんですか?」 「えっ…と、あまりお腹すいていないので」 「一本なら構わないでしょう?」 「遠慮します」 「ふぅっ…では回りくどいことはやめましょう…キスしていいですか?」 「ダメです///」 「えーっ…」 「えーってなんですか///」 「ポッキーゲームかキスかどっちか選んでください?」 「どうしてその二つなんですか///」 「キスしたいからです」 「ダメです///」 「私は亜美不足で限界です」 大気の仕事が忙しく二人きりで過ごすのは久しぶりで、亜美としてもそれはすごく嬉しいのだが… 「では、キスはひとまずいいので、抱きしめさせてください」 「っ///」 「嫌ですか?亜美」 「は、恥ずかしいです///」 真っ赤になる亜美の髪を撫でる。 「本当に可愛いですね」優しく微笑んで亜美の前で両手を広げる。 「──おいで?」 優しい笑顔と甘い声に亜美がそっと大気に抱きつく。 ──ガチャ 「亜美ちゃぁぁぁん!星野がぁ…っ!?」 「う、うさぎちゃん///」 「どうしました?月野さん」 大気がしっかりと亜美を抱きしめたままうさぎに聞く。 「えっ…と///ポッキー余ってたら貰いたいな…って///」 「良かったらポッキー全部持って行っていいですよ」 「あ、ありがとうございます!お邪魔しました///ご、ごゆっくり〜///」 パタン── 「た、大気さ…んっ///」 亜美の唇をかすめるように奪う。 「キスしてるところを見られた方が良かったですか?」 「ーっ///」 「もう我慢できません」 大気が再び亜美の唇を噛み付くように塞いだ。 【星うさ】 「あーっ!星野それっ!」 「んあ?なんだよ?」 ポリポリポリポリ──ごくん 「あぁぁぁっ!新商品だったのにぃっ!ばかぁぁぁぁっ!」 「な、なんだよ!?ポッキーくらいで泣くなよ!」 「星野があたしのポッキー…亜美ちゃぁぁん」 「えっ!?待ておだんごぉ!邪魔したら大気に殺される!」 ──ガチャ 「ただいま///」 「お、おぅ…なんで顔赤いんだ?」 「いや///うん///」 「ポッキーそんなに貰ったのか?」 「うん///大気さんが『良かったらポッキー全部持って行っていいですよ』って言ったから」 「あー…取り込み中、だったか?」 「う、うん///」 「…そうか」 「ポッキーってうまいよな」 「うん」 二人でポリポリとポッキーを食べる音が部屋に響く。 「なぁ、おだんご?」 「なぁに?」 「あのさ」 「うん?」 「その…だな…」 「うん?」 「あーっ」 「なんなのよぉ?」 「一回でいいからポッキーゲームしてください!」 「やだ///」 「なんでだよ!?」 「チューしたいだけでしょ?」 「う…まぁ、そうだけど…やった事ねーし…どんなのか知りてーなって思ったんだよ」 「ホントにぃ?」 「なんだよその顔は?半分は好奇心で半分はキスしたいんだよ!悪いか!」 「普通そこで開き直る?」 「嘘ついてもしょーがねーからな」 「ふふふっ」 「笑うな!」 「ごめん、星野のそういう素直なとこスキ」 「っ///おまっ…いきなりそーゆーこと言うのはずりぃだろ///」 「だからごめんって言ったじゃない」 「あー…くそ」 「で?するの?ポッキーゲーム」 「…いいのか?」 「一回だけなら///」 「マジですか?」 「やなの?」 「いえ!嬉しいです!」 ポリポリポリポリ──(おだんごやっぱり可愛いな)──パキッ 「あ…」 「はい、おしまい///」 「うぁぁぉっ!もう一回!」 「だめ」 「ちくしょうっ!」 「アーモンドポッキーおいしい♪」 「おぉ、確かにうまいっ!」 言いながら来年こそはポッキーゲーム成功を心に誓う星野でした。 【夜美奈】 「確かポッキーゲームって言ってたよね?」 「そうよ!」 「それ、どう見てもポッキーじゃないけど?」 「だって夜天君がプレッツェルの方やだってわがまま言うから」 「美奈がチョコの方ばっかり食べようとするからでしょ?」 「そうなの!だ・か・ら」 「それなの?」 「最後までチョコたっぷり」 「それはまぁそうだけど…それはじめて見たけど」 「ふっふっふっ、よくぞ気いてくれました!最後までチョコたっぷり──」 「トッポって会社違うよね?」 「それは言っちゃダメなの!」 「ふーん…」 「…夜天君」 「なに?」 「ホントはポッキーゲームしたくないんでしょ?」 「……いや、別に?」 「うそっ!」 「ウソじゃないよ…ないけど…なんでトッポにしたのか気になってるだけで…」 「最後まで」 「それはもうわかった。気遣いありがとう」 「むぅっ…」 「どうせなら普通のやつで良かったんじゃないかなって思うんだ」 「せっかくだし新商品の方がいいじゃない!」 「そういうもん?」 「そういうもんよ!」 「分かったよ」 「じゃあ夜天君くわえてて?」 「はいはい」 ポリポリポリポリ──パキッ 「夜天君折ったでしょ?」 「人聞き悪いなぁ、美奈のやり方が悪いんじゃないの?」 「じゃあ夜天君がやってみてよ?」 「いいよ。じゃあ美奈くわえててね」 ポリポリポリポリ 「っ///」 チュッ 「ほら、僕の方がうまいじゃん」 「や、夜天君///」 「なに?ポッキーゲームできたでしょ?」 「う、うん///そぉなんだけど///」 「なに?もっと?」 にっと夜天が意地悪く笑う。 「も、もう一回あたしがやる!」 「ふーん?」 「次は成功させるから」 ポリポリポリポリ──あと一口で唇が触れるところで止まる。 夜天と美奈子の視点が交錯する。 (夜天君やっぱりかっこいい///) ──チュッ 「っ!?」 「ごちそうさま♪」 「夜天君///」 「ボーッとしてる美奈が悪い」 そう言って夜天が美奈子だけに見せる笑顔で笑った。 |