Fruits Basket | ナノ

▼ビキニ

「あのね、諒ちゃん」
冴子が俺の前に湯気の立つティーカップを置く。
「なんですか?あの、冴子さん?俺どうせならアイスティーとかがいいんですけど?」
「ないわよ」
お嬢様にバッサリと切り捨てられた俺は「デスヨネー」と言いながら冴子がいれてくれた紅茶をすする。
悔しいことにうまいんですよ。

「昨日亜衣ちゃんと水着買いに行ったんだけどすごく可愛いのがたくさんあって迷っちゃったのよ」
「はい?お前さんなんで水着なんぞ買ってるんですか?」
「プールに行くから」
「誰と?」
「亜衣ちゃんと」
「二人で?」
「そうよ」

このお嬢様なぜ言い切りますかね。
「あの〜、冴子さん?俺と亮介くんは?」
「あんた達が二人で仲良しだから、あたしと亜衣ちゃんも親睦を深めようかと思って」

だからって何もプールで深めんでもよかろうに!という言葉を飲み込む。
「……いつ行くの?」
「来週の火曜日」
「ちょっと待っててクダサイ!」

俺は部屋を出て亮介に電話をかけると用件を手短に話して電話を切って戻る。

「俺と亮介も行きますからね!」
「なんで?」
「なんでも!」
この箱入り娘がっ!女二人でプールに行くなんてなに考えてるんですか!

「ちなみに冴子さん?水着って…まさかビキニじゃないよね?」
「え?ビキニってダメなの?忍様は可愛いっておっしゃってくださったわよ?」
「着て見せたのか?」
「違うわよ。水着だけ」
「へぇ…」
オモシロくない…。
「なによ?」
「べつに…」
「つまらないヤキモチやかないで」
これにはちょっとイラッときた。

「なんでビキニ?」
「可愛かったのよ」
「それだけ?」
「そうよ」
「……ふーん」
冴子の腕をぐいと引き、そのままソファに押し倒した。



「信じらんないっ!何考えてるのよあんたはっ!」
冴子に怒鳴られる。
「ちょっと諒ちゃん!聞いてるの!?」
「明日」
「え?」
「水着買いに行きますよ」
「…諒ちゃんのせいでビキニ着られなくなったんだから、当然買ってくれるんでしょうね?」
「見えると困るもんね?」
「バカッ!」
ごめんなさい…

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Category:オーラバ

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