▼アイス
「冴子さん一口ちょーだい」
自分のアイスをペロンと平らげ、まだ物足りなかったので
隣で半分ほど残ったアイスをなめていた冴子に
おもむろに言ってみる。
「イ・ヤ!」ときっぱり拒否される。
「ケチ」
「どっちが?」
「冴子さん」
「諒ちゃんさっきくれなかったでしょ?」
「…」
それはアナタが一口目をくれって言うからです。
一口目を食べる前から
いきなりそんな心臓バクバクなことになったら
アイスの味分からないでしょーが…
いや、食べ慣れたやつだから味は知ってるけど…。
って、違う!
妙に恥ずかしくなっておもむろに
冴子の持ったアイスにかぶりつく。
「イタダキマシタ」
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