05


今日、中距離の結果が返ってきた。


『みんな何位だった?』

みんなに順位を聞いてみた。

「私は、半分ぐらいだよ」
『葵ちゃん、すごい!小6の時より上がったね!』
「うん。よかったよ!」
『他は?』
「おい!」

天馬くんたちに順位を聞こうとしたら、寝癖頭に邪魔された。

「...おまえ!」
「悠斗くんじゃないか...どうしたの?俺らになんか用事?」

剣城くんとマサキくんの知り合いみたいだ。

「えーっと...誰?」

わたしもそう思うよ、天馬くん。

「もしかして、狙撃科の1年の中でトップの桜田悠斗くん?」
「そうだ!俺が狙撃科1年のトップだ!」

さすが葵ちゃん!情報量半端じゃないね...

『狙撃科のトップが何の用ですか?』
「この前の中距離の結果を知りたいから来ただけだ」
『そうですか。じゃあ、天馬くん何位だった?』
「俺は、30位ぐらいかな」
『マサキくんは?』
「4位だったよ」
『じゃあ最後、剣城くん!』
「...3位」
『マサキくんより上だね!』
「剣城くんが3位だったんだ...」
「剣城、すごいね!」

狙撃科トップ、完全に空気です←

「なぜ俺に聞かない!?」
『なぜって...興味がないからですかね?』
「唯月、疑問系になってるよ」
『だってさ、葵ちゃん!興味がないから仕方ないじゃん!!』
「...おまえ、どうせ2位だったんだろ」

剣城くんが、口を開いた。

「ああ!だが、納得がいかないから1位だったやつを探してるんだ!!」
『そんなことで話しかけてきたの?』
「そうだが、何か?」
『別に何もない』
「どうせ、1位は狙撃科の男だろうが...」
「えっ!君、知らないの?」
「何をだ?」
「えーっとさ...中距離の1位が女だってこと」

天馬くんの代わりにマサキくんが答えた。

「はっ?冗談だろ?」
「本当のことよ?」
「本当のことだ。ナメると痛い目みるぞ?」
「誰だよ!」
「悠斗くんの目の前にいるじゃないか」
「そいつが中距離の1位」
「はっ?」

さっきと同じセリフを発して、固まってしまった。

「嘘だろ?」
『それって、失礼じゃない?』
「証拠は!」
『紙渡ったじゃないですか』

わたしは、その人に向かって紙をつきだした。


<中距離射撃テストの結果
 強襲科 1年 遠山唯月
 スコア 700/700
 144名中 1位 ランクE>


「すごい...俺でも669だったのに...」
『射撃だけは、得意だからね』
「終わったあと、あんなに沈んでたのに...ね?天馬くん」
「そうだよね。すごく落ち着かない様子だったよね」
『仕方ないじゃん!どれだけ的に当たったかわからなかったんだから!』
「...お...俺」

悠斗くんがいきなり口を開いた。

『何?』
「俺、絶対に負けないからな!」
『望むところだ!!』

悠斗くんは、わたしたちから距離をとり、銃を抜いた。

「ここで、勝負だ!」
『いいよ?撃ってきな?』
「いくぜ!」

バンッ


相手が、わたしに向かって銃を発泡してきたが...

バンッ


次の銃声とともに方向を変えた。

「...!!」

相当驚いたようだ。
だって、相手には銃が...見えなかったハズだから

「銃が見えないだと...」
『お兄ちゃん直伝の“不可視の銃弾(インヴィジビレ)”だよ!...でさっきの方向を変えたのが、“銃弾撃ち(ビリヤード)”!』

めちゃくちゃびっくりした顔をしている。

『どうです?まだ続けますか?』
「...っ!きょっ...今日はここまでだ!!次は絶対勝つからな!覚えておけよ!おまえは俺のライバルなんだからな!!」
『うん。覚えておいてあげるね』
「次は絶対勝つからな!」
『待ってるよ!』




そんなこんなで、ライバルができました。
まあ、射撃だけは負けないけどね♪

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