2010 | ナノ








「ほら、寝っぞ」

「うん、ごめんね?」


謝る名前を横に寝かせ肩まで被るように布団を被せる。ぎゅう、としがみつくように名前はか細い声でまた謝る。その理由を知っているから俺は何も言わず、その小さな身体を抱きしめた。



「我慢、できるの?」

「いや、正直わかんねー」

「だって万年発情期だもんね」

「おい、折角我慢してんだ、襲うぞコノヤロー」



こいつが謝るのはその、なんというか夜の営みができないってことに対してで、万年発情期だなんてレッテルを貼られてしまった。



「ごめんってばっ」

「聞こえなーい」



ガキみてぇに布団の中で暴れ回って、良い感じに名前の上に乗って、溜め息。


「銀さん自信なくすわー」

「…頑張ってね」



はにかむような笑みを見せるから、もうこっちがぎゅーっと強く抱きしめたくなるじゃねぇか。あ、勿論、大事にぎゅーっとな!



「我慢する我慢する…」

「浮気したら怒るからね」

「絶対しねぇし、銀さんお前にベタ惚れだから」



だから、キスまではさせてくれよなと耳元で囁いてから、優しく名前の腹を撫でて、横に寝転がった。



「お前似の子だったらいいなぁ」

「天パが遺伝しないことを祈るね」

「なんかひでぇ」



徐に、名前の手を取って、指を絡めて手を繋げば、名前も握り返してくるから、嬉しくて目を閉じた。



「絶対、甘党にさせないし」

「俺がさせるから心配すんな」

「最悪」

「まぁ、でも」

「…うん」



元気に産まれてくれりゃあいいってのが2人の願い。




そして楽しい家族にすんだよ。




(だから我慢してやらァ)

(……ん。おやすみ、銀ちゃん)

(おやすみ)








100810