2010 | ナノ








「ねぇねぇあたしのことすき?」

「ぶっ!なにいきなり、ねぇいきなりなんなわけェ?!」

「じゃあ、あたしのこときらい?」

「名前ちゃーん?」

「どっちよ」

「え、てか、どしたのほんと」

「だって銀ちゃん滅多に言ってくれないし」

「そりゃーガキみてぇに二言目には好きだなんて言わねぇよ」

「最近聞いたの半年前。でもって寝ぼけて言った」

「おまっ、なに覚えてんだ」

「女は言葉にしてくれなきゃ不安なの」

「んなら男だってなァ、女は態度でわかってくれてるもんだと思ってんだよなァ」

「それは男の勘違いだと思うよ」

「いやさぁ、恥ずかしいんだって」

「あたしのこと嫌い?」

「だからァァァ!」

「ごめんね」

「え、なんで」

「重い女でごめんね」

「んなこたぁねぇよ」

「…」

「あー、わかったわかった。そんな泣きそうな目で見んじゃねぇよ」

「銀ちゃんの馬鹿」

「馬鹿でいいし……ったく、嫌いじゃねぇよ」

「そうじゃなくて」

「それだけじゃ駄目なわけ?」

「…だめ」

「あーもう、可愛いなぁお前は」

「知らなーい」

「じゃー今からいくらでも言ってやらァ」

「ちょっと、銀ちゃん。今、お昼だし、な、何脱いでんのよ!」

「なにって?んなの決まってんだろーが。愛を育むんだよ」

「銀、ちゃん、…っん、!」

「…ていうか知ってた?俺、お前が寝てるときに」




うぜぇくれぇに言ってんだよ、「好き」ってさ



(そんなの寝てるんだから知らないに決まってるじゃない!)

(だから、それを今からお前の身体に教えてやるんだって)






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