期末考査最終日、最後のテストは国語。前々から担任に個人授業を受けていたわけで、解けないということはなかった。だって記号問題ばっかで簡単だし!
とか言いながら、1問1点の100問テストってこのダメ教師は喧嘩売ってるんだろうか!
あ、ダメだダメだ!ちゃんと問題解かないと、えっと……
(1がケ、2が…………10がイ、かな)
記号問題は自信がある。うん、これならいける。ペンが進む。なーんだ100問って楽勝じゃん!そうやってスラスラ解いて行って残り時間が10分を切った頃、私はまだ問題に取りかかっていた。
“次の問に2文字以内で答えよ”
【す】から始まって【き】で終わるものを書け
(……2文字、すとき……すき。好き?)
いやいや何言っちゃってんのこの白髪天パ。まったくテストに関係ないよこれ!
……でもこんな問題で点数落とすのも勿体ないし、書かなかったら書かなかったで先生のことだからなんかされそう。……いや気のせいだよ。そうだよ!
「あと5分だぞー。見直ししとけよ」
先生の声が静かな教室に響く。すぐに紙が擦れる音があちこちから聞こえてきて、私は焦る。
(ええっ、もう書いちゃえ!す、き……)
最後の問題を見る。
“問1の答えを答えよ”
問1って何処!?慌てて用紙を表に返して答えを見る。
【ケ ツ コ ン シ テ ク ダ サ イ】
(ケツコン?結婚?おちょくってんのあいつ!待って、これ、答えの答えってプロポーズの返事を求めてるわけ?)
頭が痛い。こんなメッセージをテストに残すなんて。他の皆はどう書いたんだろ?一緒なはずなのに。
頭がパニックになった私は教卓の横の椅子に座る担任を見た。目が合った。笑った。
途端に鳴るチャイム。最後の問題は解けなか……いや書けなかった。
苗字は終わったら準備室でー。はい解散。
(ねぇ、神楽?最後の問題おかしくなかった?)
(そんなことないアル。銀ちゃんらしい記号問題だったヨ)
(えっ、最後から二問目は?)
(?主人公の武器ネ。あれは鋤(スキ)だヨ)
(……やられた)
title by:)Aコース様
101203