2010 | ナノ








チカチカと光るランプに嬉しくなる。それは彼からのメールだとわかっているから余計に。
メインフォルダのその下のフォルダ【銀ちゃん】と表示された場所をクリックしてみると件名に“よっ”と書かれていた。



「えーと……」



お風呂上がりで髪の毛を拭きながら本文を読む。



“今日もまじ疲れた。依頼人がめんどくせぇ奴でよ、明日も振り回されそうだ……”



「ふふっ」



忙しくても最近は毎晩のようにその日の事をメールしてくれる。たぶん忙しいから余計に話したいんだろうな。
でもお互い明日の朝は早いからこうやってメールでも連絡を取れるのは嬉しい。携帯を持ってもらってよかったな。




“お疲れさま、明日も大変だろうけど頑張ってね。
私も今の仕事に一区切り付いたらご飯作りにいくから”



そのままベッドに横になり、送信した。にこにこと笑っているのが自分でもわかる。やだな、こんな顔、銀ちゃんに見られたら笑われるんだろうな。

でもにやにやは止まらなくてしまいには変な笑い声が出てしまいそう。

目を携帯に戻すとメールが受信中の画面になっていた。すぐに光る白いランプ。……銀ちゃん専用のそれだから、早い返信にびっくりしてしまった。



「メール打つの早くなってきたなぁ」



しみじみとそんなことを思いながらメールを開いてみると、



“まじでか!銀さん頑張るわ!
名前も頑張れよ”



「うん……頑張る」



声に出してみても、相手には届かないけど銀ちゃんが素直から言ってくれる頑張れって言葉で暫くは会えなくても頑張れそう。

銀ちゃんの好きなものにしてあげよう、でもって神楽ちゃんのためにいっぱい作ってあげて、遠慮する新八君にも食べてもらって4人で万事屋の食卓を久々に囲みたい。






そんなことを考えながら私は今夜も先に夢の世界に旅立つの。

“おやすみ、そしておはよ”

朝、そのメールを見てまた1日頑張れたらいいな。





寝落ち常習者でごめんなさい!





(返信来ねェ。あいつ、寝たよなァ…………おやすみ……そしておはよ……っと。さ、寝っか)






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