パシャッ…!
「あ、やべっ」
昨日は珍しく名前が万事屋に泊まりにきた、ほんと珍しく(いつも俺が泊まりに行く側だから)。自分の家で晩飯食って(神楽や新八も居たけどな)、湯上がりの名前が俺と一緒の布団に入ってきて、俺はジャンプ読みながら、いちご牛乳飲んで……ああ、そのまま枕元に置くんじゃなかった。
溜め息をついてピンクに色づいた液体が布団に染み込んでいくのを茫、と眺めていた。
起きて、喉が渇いたなーとかうつらうつら考えていたら、眠る名前の向こう側にいちご牛乳が見えた。よっしゃ行けるんじゃねぇのこれ!と心ん中でガッツポーズして寝転がったまま手を伸ばしたいちご牛乳のパックを持ったまではよかった。意外と中身が多く入っていたらしく、傾いてしまい、布団に溢してしまった。まだ気付かず眠る名前の髪を濡らして。
「あーあ」
名前自身に掛からなくてよかったと思う。室内に香るいちご牛乳の匂いが充満して、あ、良い匂いだなんて思っちゃう俺。ってそんなことより名前を起こさねぇと。
「名前ー起きろよ」
自分の髪がいちご牛乳に浸食されてるとは思いもよらず、眠り続ける名前。
「甘ぇ匂いしやがって」
「んー……ひゃぁ…っ!」
寝返りをしたことで、溢れた上に横になった名前はようやく目を覚ました。
「な、なに…!」
「いちご牛乳?」
「は…?なにそれ。うわ、甘いよーっ。髪ベタベタしてる、ちょっと銀ちゃん」
あ、なんか欲情するかも。寝起きの名前は浴衣もはだけていつも以上に艶かしく見えるし。いちごの匂いが可憐らしくてギャップあってだめだわこれ。
「んー?」
「早くどいて、シーツ洗濯しなきゃ」
「いいよ、あとで」
「あとでじゃ、っ……んっ……!」
ごろんと名前の上に乗ってキスを送る。深く、貪って、肩を押して離れさせようとする名前な手首を捕まえたら布団の上に縫い付けて呼吸を奪う。
「……は、っ。やべぇかも」
「、っ…は、…ぁっ」
「な、いいだろ?」
「だ…めっ!」
「無理。お前可愛いし。俺、いちご牛乳好きだし」
「意味わかんない…」
「だからさー、お前も好きだしいちご牛乳も好きだし、それが混ざりあったら更に愛しくなんの!」
い ち ご 牛 乳 万 歳 !
(だからって!)
(1番はお前だ。心配すんなァ)
(そういう問題じゃなくて!)
100814