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魔王城の日常

「プリチリテル様……とナイトメア」

扉をノックして、返事を待たずに部屋の扉を開けた。
先ほど見つけた古書と言う名の用事を片手に、部屋の中に体を滑りこませてさあ話をしようと口を開いた瞬間に気付く。
予想だと部屋にいるのは一人だけだったはずなのだが、お目当ての人物だけでなく予想していなかった人物もいた。
しまった、と思うが時既に遅し。
予想していなかった方の人物が言葉の刺を突き刺してきた。

「ブラッド、何をしている。プリチリテル様はお仕事中だ。そもそもお前も仕事中だろう、何をやっている?」
「えーと、その、ちょっと休憩をだな…」
「休憩?17分前にとっただろう。そもそも休憩するのに何故この部屋に来る必要がある」
「それはだな、俺はこの本をプリチリテル様に見せようと思って…」
「よりによって今、か?呆れるな。お前がくだらない事でプリチリテル様のお仕事を邪魔することでプリチリテル様の時間を削る事になるんだぞ」

ぐさり、ぐさり。
ブラッドはナイトメアの言葉の刺が自分に刺さる音が聞こえてくるような気がした。
確かに自分が邪魔をする事によってプリチリテルの時間を削る事になってしまう。
そもそもいつも自分がしている事を考えるとナイトメアの言葉がとても痛い。
確かに本はちゃんとしたものだが、ぶっちゃけ重要なものではないので言い返すことができない。

「ふあー…メアちゃん、そのへんにしておいてあげてよ。ブラッドが可哀想だよ」
「……。お言葉ですがプリチリテル様。ブラッドは少しは自重を覚えるべきなのです」
「うーん…」

プリチリテル様は俺の扱いに迷っているようで、可愛らしく小首を傾げる。
先ほど感じた痛みなのなんのその、プリチリテル様のそんな行動ひとつで俺の気持ちは一気に変わる。
まあ俺はそうでもナイトメアはそうはいかず。

「プリチリテル様。プリチリテル様はブラッドを甘やかしすぎです」

ああ、いつものお小言が始まった。
このままじゃプリチリテル様が可哀想だ。
……俺のせいではあるんだけれども。

「待て、俺はちゃんと仕事するからプリチリテル様を怒るな」
「…誰のせいだと思っての発言だ?」
「俺」
「そうか。ならば料理長にここ暫くのブラッドの食事は不要だと伝えてくるとする」
「ちょ、待て!それはないだろ!?」

 * * *

ブラッドに慣れようと練習で書き出していたものです。

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執筆:2013/02/18

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