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追いかけっこの理由
「あああ湿気で身体が気持ち悪いぃーっ！！」
「なあ」
「なぁにさぁー？」
「お前、仮にも人間に紛れて戦うために作られたんだろ？」
「そうだけどぉ？」
「ならなんでそんな関節丸出しなんだ？防具で隠せはするものの、流石に色々と無理があるだろ」
「んー？それはねぇ、ヤバくなった時に『私は生き物じゃないよぉ♪』って教えてあげるためだよぉ♪」
「へー、戦略か。確かに、切っても死なない、壊れても平気、自分の知ってる種族のどれにも当てはまらない…そんな得体の知れない奴が目の前にいたら、かなり怖いもんな」
「でしょぉ？そういう面ではかなり便利ではあったかなぁーっ」
「けどメンテとか大変そうだよな」
「そりゃあ勿論、すっごく大変だよぉ？でもマリスが手伝ってくれてるから、今は結構楽になってるんだよぉ」
「俺が？…何かしてたっけか？」
「追いかけっこだよぉ」
「ああ、いつものか。けどそれが何に役立ってるんだ？逆にメンテが必要になりそうな気がするぞ」
「実はねぇ…かなーり役立ってるんだよぉ！ほらぁ、たまに追いかけっこを長時間する時とかあるでしょぉ？」
「ああ…けどあれは俺の鍛錬も含めてやってるからかと…」
「それもあるけどぉ、実は新しいパーツを使ったり、大掛かりなメンテ明けとかに合わせてやってる事が大半なんだぁー」
「だから無駄な動きがあったり、派手に魔法使ったりしてんのか」
「そ。しっかりメンテできてるか、新しいパーツがあってるかのチェックだねぇ♪」
「そっか。なら、もっと激しくやった方がいいか？」
「あははぁっ♪その時は私が激しくするから大丈夫だよぉ♪」
「なら俺はそれに備えて日々の鍛錬を欠かさずしっかりやってた方が良さそうだな」
「そだねぇ！あははぁっ、その時は本気でお相手願いたいなぁっ♪」
「はっ、俺はいつでも本気だぜ！」
「私だって、本気でやっちゃうんだからぁっ！」
「うし、じゃあ今から動くか？雨だからってじっとしてたら身体が鈍っちまうぜ」
「よぉーっし、やっちゃうかぁっ！」
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執筆：2014/06/08