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十字に祈り、貴方に誓う

アンジュとアンジェのピアスの話。

購入時→帰宅後夜中→最期の流れ。
「姉さん、見て!このピアス、凄く可愛いわ!」
「あら、良いじゃない!アンジェに良く似合うと思うわよ?」
「買っちゃおうかな………っ、た、高い…」
「…ふふ、それだけ良い物だという事ね」
「どうしようかしら…買えるけど、買ったら本を我慢しなくちゃいけないのよね…」
「どうするの?」
「……我慢するわ、私にとって本の方が大切だもの」
「そう……アンジェ、私はお会計を済ませてきちゃうから先に本屋に行ってていいわよ」
「わかったわ。私は向かいの本屋の二階にいるから、そこで待ち合わせね!」
「ええ、わかったわ」



「アンジェ」
「……、ん…どうしたの姉さん。こんな夜中に私の部屋に来るなんて、珍しいわね」
「ふふ…アンジェにどうしても渡したいものがあってね」
「渡したいもの…?」
「はい、アンジェ。……さあ、箱を開けてみて?」
「有難う、姉さん。じゃあ早速…………!!」
「ふふ、喜んでもらえたかしら」
「姉さん、このピアスって…買い物に行った時に見てた、あのピアス…?」
「ええ、そうよ。喜んでくれたかしら?」
「よ、喜ぶも何も…凄く嬉しいに決まってるじゃない…!!」
「ふふ、アンジェが喜んでくれて嬉しいわ」
「でも姉さん、箱の中にはピアスが片方しかないわ。もしかして単品買いしたの?」
「知りたい?」
「勿論。気になるもの」
「もうひとつは、私の部屋にあるわ」
「姉さんの?………これは、姉さんとペアなの?」
「……勝手な事をしてごめんなさい、嫌だったかしら?」
「嫌だなんて…そんな事あるわけないじゃない!姉さんとペアなら大歓迎よ!!」
「有難う、アンジェ。じゃあ明日から早速つけるわね」
「私こそ、有難う姉さん!私も明日から大事につけさせてもらうわ!」



「姉さん、嫌よ…死ぬなんて、そんなの嫌よ…!!」
「ふふ…アンジェったら……大丈夫よ、私はずっとアンジェの事を見守っているから…不安にならないで…」
「嫌!嫌よ、姉さんと離れるだなんてそんなの絶対に嫌よ!!」
「………。…アンジェ」
「…っ…姉、さん?」
「このピアス…アンジェがつけて…?」
「姉さんの、ピアス…」
「私は、そこにいるのよ…いなくなっても、一緒にいるの…だから、希望の光を、見つけて…」
「お願いだから、やめて…そういう事、言わないで…」
「泣き虫ね…貴方がちゃんとしないと、他の子達が困っちゃうわ」
「でも…でも…!」
「アンジェ、お願い…私にこのピアスをつけて見せて…?」
「…わかったわ……姉さん、見て。つけたわ…」
「ふふ…やっぱり良く似合ってるわ…」
「姉さん…」
「私がいなくなっても、貴方を見守ってくれる子達は沢山いるのよ…信じてくれる子も…沢山…だから、未来を諦めないで…」
「姉、さん…?」
「私は、ずっと傍で……見守ってるから……私の、大切な…妹……ア、ン…………」
「…………ね、え…さん…?」
「…………」
「姉さん?姉さん!?嫌よ嫌、そんな…姉さん、起きて!!姉さんっ!!!………っ、あああああああああああっ!!!」


* * *

ピアスははじめは二人で一つずつ付けてました。
でもアンジュが亡くなってからは、アンジュの分もアンジェがつけるように。
アンジェがつけているアンジュのピアスは髪で隠れている方の耳についてます。

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執筆:2012/06/30

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