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星に願いを

※SSEの流れ星は、極稀に見れます。
"流れ星"ではあるものの、実際は星ではなく星管理の島の魔法使いによる魔法。
流星群なんて夢のまた夢。



「あ、流れ星!」
「一瞬、でしたね」
「くそ、俺は見逃したっ…」
「残念だったな」
「くそー…」
「…そういえばさ。流れ星ってお願い事を叶えてくれるんだって。星の本に書いてあった」
「…プリチリテル様は、今の流れ星に何かお願い事を?」
「してないよ」
「へぇ、意外ですね。俺的にはプリチリテル様はそういうの信じそうなイメージだったんですが」
「おいブラッド、プリチリテル様に向かって失礼にも程があるぞ」
「いや、かまわないよ。…うーん、なんかさ、馬鹿馬鹿しくない?」
「馬鹿馬鹿しい…ですか?」
「うん。何で魔王のあたしが願い事しなくちゃいけないの?大体自分でどうにかできるじゃん」
「…では、その"大体"以外の場合はどうするんですか?」
「そんなの、気合いでどうにかすればいいよ。魔王だもん、なんとかなるでしょ!」
「ふふ…プリチリテル様らしいですね」
「ですが、完全に無理な事などもある筈。その場合はどうするおつもりですか?」
「…ブラッド、しつこいぞ」
「まあまあ……うーん、そしたら諦めるしかないんじゃないかなぁ?」
「諦めるんですか」
「んじゃあ、例えばだけどさ、"一度死んで死後の世界旅行してから現世に帰還する"、なんてできると思う?そんなお願い事叶うと思う?」
「まあ、そりゃあ無理ですね」
「極端ではあるけどさ、結局はそういう事なんじゃないの?」
「はあ…」
「ブラッド、プリチリテル様の話を真面目に聞け」
「聞いてるっての」
「……でも、一応、夢を見る程度にはいいんじゃないかなー、とは思ってるよ。……あ、そうだ!二人とも、ちょっと部屋の窓とカーテン閉めて?」
「?…はい」
「わかりました!」

「ん、じゃあ明かりも消すね………よし、二人とも目を閉じてー!」
「はい」
「閉じました」
「ん………………よし、目を開けていいよー」
「綺麗…」
「凄いな…部屋に星空が見えるうえに、沢山の流れ星とは…」
「この流れ星の滝は、流星群って言うんだって」
「流星群…」
「他の世界の星空では、たまーにあるんだって本にあったんだ」
「………流星群の流れ星でも、願い事が叶うんでしょうか」
「なんだそれ。じゃあ願い事叶い放題って事になるじゃないか」
「制限でもあるのだろうか?」
「あー…そういう細かい事とか決まりとかってのは、別にないらしいよ?」
「「………」」
「……うーん、なんか勿体ないよね。こんなに綺麗な流星群が見られるのに、お願い事するのに夢中になっちゃう人がいるなんて」
「ふふ…そう考えると、私達は幸せ者なのかもしれませんね」
「幸せ者?」
「はい。私達は、純粋な気持ちでこの星空を綺麗と思えます。この沢山の流れ星の滝に、お願い事をしなければと焦るような事など考えもしません」
「ああそっか。お願い事のこととか、星について詳しく調べたりしないと知らないもんね」
「そもそも、俺達みたいな奴ばかりじゃなく、流れ星の存在を知らない者もいるわけですからね」
「皆が皆、そうだってわけじゃあないけど…そう考えるとあたし達ってこの世界に生まれてよかったって思えるよね」
「そうですね。私はプリチリテル様に出会えましたし」
「俺もナイトメアと同じく、この世界に生まれてプリチリテル様に出会えて良かったと思いますよ」
「あはは、そう言ってもらえるなんて嬉しいな!」
「…この先も、ずっとプリチリテル様のお側にいたいです」
「俺だって、プリチリテル様にお仕えしていたいです」
「………じゃあ、三人でお願いしようよ、流れ星に!」
「…プリチリテル様は流れ星にお願いはしない筈では?」
「あ、メアちゃんてばひっどーい!もー、今はいいのー、お願いしたって事が大事なのー!」
「ナイトメア、あんまりプリチリテル様をいじめるんじゃない」
「あ、あたしはいじめられてないもんっ!」
「なんだかズレてきてますよ」
「ああもうっ!………じゃあ、3、2、1でお願いだよ!……いくよ、3、2、1――――」


これから先も、皆でずっと一緒にいれますように…!


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執筆:2013/08/16

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