気付いてなんかいないわ



私とクル姉はいつでも一緒。

起きる時も顔を洗う時も髪を梳く時も朝食を食べる時も歯を磨く時も学校に行く時もお昼休みも学校から帰る時もおやつを食べる時もアニメを見る時も夕食を食べる時も宿題をする時も漫画を読む時もパソコンをする時もイザ兄をからかう時も寝る時もずっとずーっと一緒。

授業中やトイレは仕方無いけれど、土日はお風呂だって一緒に入って流しっこや洗い合いもするし、クル姉と離れて過ごすなんて考えられない。だって、もしも一時でさえ彼女と離れたら私は死んでしまうと思うから。

ねぇクル姉、クル姉もそうだよね?1分でも1秒でも私と離れたりしたら寂しいよね?悲しいよね?苦しいよね?つらいよね?きっと死んじゃうよね?

そう尋ねたらクル姉は黙ったままにっこり微笑んで私のほどいた髪を慈しむような手つきでやさしく、やさしく撫でた。

あぁ、クル姉の指先は真っ白で細くてしなやかで綺麗だなぁ。まるで石膏で出来た美術品みたい。あぁ、綺麗だなぁ。

私がクル姉の指を舐めるように見詰めている、その瞬間に彼女も私の太ももに添えた指先を恍惚とした表情で眺めているなんてそんなこと、


(でも、貴女は私を騙せない)



end.



百合の花言葉『貴女は私を騙せない』




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