ぽかぽか、あったか


ぽかぽか陽気な小春日和。
昨日の冷えた風が嘘みたいにあったかい。
縁側に寝転がっていたら、ドスドスと背中に振動が伝わってきた。

(この足音は・・・)

思い当たるとほぼ同時に、元気な声が降ってくる。

「おいっ、カレン!こんなところで寝てたら風邪引くぞ!」
「大丈夫・・・新八君と一緒で、馬鹿だから引かない・・・」
「寝ぼけてる割にひでえこと言ってんじゃねえっ・・・!」

若干涙目になって訴える新八が、瞼の裏に容易に想像できた。
足音がすぐ傍で止まって、ドスンと一際大きな音。

「・・・もっと静かに座りなよ。腰痛めるよ?」
「俺の体はそんなヤワに出来てねえ」
「・・・筋肉質だもんね」

褒めたつもりはないけれど、新八は「分かってんじゃねえか」と気分を良くしたみたいだった。

「あー・・・しっかし今日はあったけえなあ・・・」
「ねー・・・これはもう昼寝するしかないって感じ・・・」
「だな・・・」

床の上にドサリと体を投げ出し、カレンの隣に横になる新八。
あったかい空気がゆらゆらと揺れた。

「新八くーん、膝貸して。枕枕」
「それは俺の台詞だ、お前が貸せ」
「いやだよー、新八君重いもん」

言いながらごろんと体を転がして、新八の膝に頭を乗せ・・・ようとしたけど、それはやめた。
だって筋肉自慢の新八の太腿だ、肉厚で高そう。首が痛くなってしまう。

代わりにお腹の上に頭を乗っけてみる。

「・・・うーん、やっぱり少し高い」
「・・・カレン、重い」
「新八君、薄着なんだからお腹あっためた方がいいよー」
「だからそんなヤワに出来てねえって、言ってんだろ」
「んー・・・でもあったかいでしょ・・・」
「おー・・・そうだ、な・・・」

あっという間に、二人とも眠りに引き込まれた。


ぽかぽか、あったか
きみといっしょだから



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