きみにぺろり、されちゃいました。


(ぺろぺろ ぺろぺろ)

「ん、」

(ぺろぺろ ぺろぺろ)

なんだろ?
くすぐったい。
わんこのほうの左之助さん、かな?

「ふふ、くすぐったい…」

ぺろぺろ舐めてくる悪戯わんこを捕まえようと手を伸ばす。
だけど触れたそこはふわふわな毛なんかじゃなくて、さらりとした人間の肌。

「え?」
「あ、」

慌てて目を開けると、そこには驚いたような顔をした左之助さん。
驚きたいのはこっちなのに。

「さ、左之助さん?」
「悪かった!人間になってたの、わ、忘れてた」

珍しく、少しだけ頬を赤くして慌てる姿が新鮮で。
悪いと思いつつ、笑ってしまう。
だって、あの左之さんが、気づいてなかったなんて。

「お、おい。笑うなって」
「だって、ふはっ」
「ああー!もういいから!さっさと顔洗って来い」
「はーい…ふふっ」

そんな朝の風景。
窓から差し込む太陽の熱に負けないくらい左之助さんのほっぺたを暫くは忘れられそうにない。



(おはよう編:ご主人ver)



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