Like a Dolphin
追いかけても、掴もうとしても、すり抜けていく
君は―
普段と変わらない登校風景
『リリンは、めんどくさくないのかな?』
拭っても落ちる汗。仕方ない、あの日から季節は夏だけなのだから
「っ!」
突然背中に衝撃を受けた
「おはよう渚君!」
「痛いよ名字さん。」
ごめん、と笑う君。あんまり反省はしていないようだ。
「ぼーっとしてるけど、どうかした?」
「今日テストだなと思ってただけだよ。」
「うぇ! テストだったっけ!?」
え、英語? それとも数学??さっきまでの笑顔が、困った顔になった。
「数学だよ。」
「あちゃー。」
どうやら完全に忘れていたらしい。そうだ、
「ねぇ、「あっ、アスカ!」
僕が教えてあげようか?その言葉はセカンドを見つけた彼女の声にかき消された。そのまま僕のもとから離れていく名字さん。
『なんだ、この感じ…?』
手を伸ばしたのに、かわされて掴み損ねたそんな感覚。シンジ君に声をかけられるまで暫く、自分の手のひらとセカンドと笑い合う名字さんを交互に見ていた
追いかけても、すり抜けていく
君はまるでイルカのよう
(カヲル君何してるの?)
(あれ、おはようシンジ君。)
(学校遅刻しちゃうよ?)
あとがき
わぉ!?
一体何処がLike a Dolphinなんでしょう…
Inspired by イルカ