P.S.



「何してるんですか?」


探していたナナシさんが、僕の部屋で何かしていた。


「あれ、見つかっちゃった?」


「勝手に荒さないでください。」


「えっちいものでもあるかと思ったのにー」


面白くないーと駄々をこねるナナシさん。あいにく、貴方という恋人がいる僕の部屋に
そんなものありません。


「…総代がお呼びです。」


「りょーかいっ。」


ナナシさんはひらひらと手を振りながら、僕の横を通り過ぎていった。


『はぁ… ん、何だ?』


先ほどまで彼女がいた机の近くに行けば、見慣れない手紙が鎮座していた。


『ナナシさんからか?』


突拍子のない彼女の行動に戸惑いつつも、封を切ってみる。


『Dear. Delico』


「なっ!?」



『いい年なんだから、えっちいもんの一つや二つ持っとけよなー。From.ナナシ』


シンプルな便箋にはその1文だけ。


『あの人は…』


本当に彼女でいいのか不安を感じた。おそらく冗談なのだろうが、ナナシさんが分からない。


『こんなことのために… ?』


うっすら透けた便箋の裏側に文字の羅列


「口に、して欲しいです…」


回りくどい愛に、僕は囚われていく



P.S.
I love you.



(そうだいぃー)

(どうしたんだナナシ?)

(恥ずかしいぃいいいい。)



あとがき
デリコさんのキャラが最近行方不明。ん?もとからか…

御一読ありがとうございました!!


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