嵐の前に
「ナナシ。」
「生きてたんだねぇ、エリカ…」
『仲間のガキが「エリカ」って何度も呼んでるのを、クリスチアーノさん達が聞いてる。―俺もです。』
瞳の色以外はデリコに瓜二つのエリカ。双子にしか見えないけど、デリコより二歳年下。脳裏に浮かぶ姿はだいぶ幼い頃のものだが、駆け寄ってくる姿はまるで昨日のことのように思い出される。
「生きてて良かった、と言いたいところだが。」
「あぁ、結構やらかしてくれてるからね。素直に喜べない自分が嫌だよ、全く。」
無事に保護したとしても、クリスチアーノを叩いた実行犯には違いない。それなりの処罰とやらは避けられない筈だ。
「それでも、デリコは探しに行くだろうな。」
「行かなきゃ、あたしがブン殴るさ。」
「おぉ、おっかない女房だ。」
なんたって兄妹だから、ね。『総代』っていう精神的な支柱で結びついてる私らより、もっと、もっと大切なものだろ?
「マイルズ兄、ナナシ姉、見送りどっすか?」
「俺は行くが、お前はどうする?」
「あー、あたしはパス。」
そんな驚いた顔をしなくてもいいじゃないか、2人とも…
「総代に呼ばれてんのさ。デリコには、―」
嵐の前に
(うんとべっぴんな奴ね…)
((…はい!))
(あ、あとナナシ姉が妹が欲しいってさ。)
(え、はいっ!!)
あとがき
GANGSTA.5巻発売おめでとうございます!!堪らんです。テオ先生もモンローさんもめっちゃ出て来てくれて!?ジーナさんの美しく引き締まった体が何とも…ぐふふふ。
5巻内部の妄想でした。デリコたんの筈が、彼全く出てきてないって言う可哀想な物になってしまい…まじで申し訳ないっす。
駄作でしたが此処まで読んで下さってありがとうございました!!!