遠吠えする



*attention*
過去の彼を妄想してみました。

上記の様な内容が受け入れられない方、ないしは、苦手とされる方は申し訳ありませんが閲覧をお控えください。読まれた後で気分を害された等の報告を受けましても一切の責任を負いかねますことご了承ください。



では、ばっちこーいな方、お楽しみいただければ幸いです。



















俺と相棒


時が経っても、俺らを取り巻く世界は変わらない。


良いことはとりあえず少ないか?まぁ、いいとこいって49。


それより悪いことの方が断然多い。少なく見積もって51。


色々とあらぬ期待を、自分たちに抱くのは辞めちまった。それを信じていくには、この世界は残酷だったんだ。


「Thanks! 流石、あんたに頼むと違うわね!!」


時々こうやって言ってもらうそれで十分。


「ねぇー、ナナシちゃん。」


「何だ、どうした?」


作業を終えたそのままで、依頼主の彼女と話す。


「キレーに着飾った犬はさぁ、鏡の前で何思ってんだろーなぁ…」


「はぁ?」


遂におかしくなったか、なんて失礼なことを口にしたナナシちゃん。


「いや、考えね?」


「考えるか。」


口が悪いのはご愛嬌って奴だ。


「狼でないんだけどさぁ、」


「おう。」


柄にもなく唐突に話す。それでも相槌を打ってくれる彼女はやっぱり良い奴だ。


「どう足掻いても、狼の種では無いんだけど、あいつら見たく遠吠えしたくなんだよなぁー。」


言った瞬間、頭に軽い衝撃を受けた。


「イってぇ!どうして打つの!?」


俺を打ったであろう手を擦る彼女。


「それで吠えてるってか、羊みたく。」


あぁ、ばれてら。言いたかったこと、伝わって欲しいような、そうでなかったこと。


『笑われちまうのかね。ばっかみたいって…』


ナナシちゃんに話したのは、気まぐれでも何でもない。


彼女は芯が通ってる。平凡、そうな生活だが顔は広いし。なにより彼らに慕われている。そんな彼女だったからようやく慣れ出したここでの生活へのストレスを言ってみたくなった。

「いいんじゃねーの?」


「え?」


俺の聞き間違いか?だって、そんなことある筈が―


「考えてみろ。殴られたなら、もう片っ方の頬を差し出せ、隣人愛だったか?んなもん何の役に立つ。」


「あ、」


「この街で生きてんだ。そんな潔い姿勢なんか、誰も求めちゃいねーよ。」


何にも出来なかった、お坊ちゃんな昔。ここに来てもそれは変わらなくて、闇雲に手探りを繰り返す。


俺には何ができる?


「遠吠えする羊。それはそれで、かっこいいじゃねぇか。」



気付いている人間は多い、おそらく。誰に笑われたとしても、今の姿を憎らしく思いつつ、深く愛して行ける。ナナシちゃんの言葉があるから





遠吠えする羊



(お前が羊ねぇー。)


(ちょ、その目止めて!?)





あとがき
原作よりも過去のお話、にしたかったです。きちんとなっていますでしょうか…


個人的に彼は悩んだ人だと思いました。お屋敷でのこと、黄昏種を目の当たりにし外に出たこと。そして、外の世界。


今のウォリックが形成されるまでの過程を想像してて出てきた物でした。はい、個人的にです!!!



こんなんでしたが此処まで読んで下さってありがとうございました!!??



inspired by 羊、吠える



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