昨日好きだった人
目の前で起こっていることに頭がついていかない。何故ナナシが僕に銃を向けている?
ナゼカノジョガボクヲコロソウトシテイル?
「どうして!?」
「 どうして?これが私の仕事だから。」
「ナナシ…」
「情報を手に入れるために近づいた、それだけよ。」
「っ、騙していたのか…?」
「貴方の察しがよくて助かるわ、デリコ。」
今まで愛を囁いてくれた唇から、聞きたくない言葉が出てくる。
「ついでに、そのまま何もしないで殺されて頂戴?」
自分に向いたままの銃口。悲しいまでに綺麗な笑顔。
パァン-
「対黄昏種用の銃弾よ。どう?素敵なお味でしょう?」
「ナナシ-」
「殺傷力は低いけれど、仮死状態には出来るわ。」
意識が薄れていく。触れた地面へと熱が奪われていく。
「 さようなら、デリコ。」
脳裏に浮かんだのは、微笑みかけてくれた昨日の彼女だった。
あとがき
友達が歌ってた曲の歌詞から妄想したブツ…