紫煙に消えた嘘
「1ヶ月だ。」
「えっ?」
昼食を終えて、のんびりお茶を飲んでいたら、いきなりテオ先生がそう言った。
「だから、1ヶ月だ。」
「本当に何のことですか?」
「お前の寿命。」
手から滑り落ちたカップが、テーブルに転がり中身が広がった。
「どういう、」
喉が渇いて上手く話せない。
「オーバードーズのツケだな。」
テオ先生は紫煙を吐き出しながら、淡々と話している。
『何でもふつうに話せるの…?』
あまりに普段と変わらないものだから凄くイライラした。
「これ以上、セレブレは飲むな。」
なんで、
「クリスチアーノには定期的に会いに行け。」
どうして、そんなに
「それから、「何でそんなに普通なの!?」…」
やってしまった。テオ先生の表情が怖くて顔が上げられない。
「私、先生の何?」
「馬鹿者。」
「っ!!」
何で馬鹿者なの?え、馬鹿者って
「今日は何日だ。」
「えと、あっ。」
カレンダーを見て漸くわかった。
「先生っ!?からかったんですか!」
「気付かないお前が悪い。」
紫煙に消えた嘘