無感論者のジレンマ
「こんにちは。」
「あ、こんにちはデリコさん!」
この人は健常者だ。でも、僕たち黄昏種を蔑視しない。総代やクリスチアーノの様に力があるわけでもないのに。
「今日はヤンさんと一緒じゃないんですね。」
「今日は別なので。」
それを聞いたはナナシさん、珍しいと微笑んだ。
暖かい、まるで春の木漏れ日の様な笑顔。エルガストルムの女神。ナナシさんにはこの街が似合わない。何故この街に住んでいるか、疑問に感じることもある。
「―コさん、デリコさん?」
「え、あぁ、すみません。」
「大丈夫ですか?きちんと休んでます?」
「それは大丈夫です。」
「 黄昏種だからって、無茶しないでくださいね。」
今日もまた、僕はナナシさんに心配をかけてしまう。ニコラスさんたちみたいに談笑したいのに。それでも、ここを訪れてしまう。そしてまた、あまりの眩しさに、目を瞑ってしまうのだ。
あとがき
勢いで書いた初のGANGSTA.夢・・・これから増やしていきたいな。