在りし日に嗤う



『生意気な女だな。』

初対面でそう言われた。そりゃそーでしょ、いきなり攻撃したから。まぁ、悪いなんて思ってないけどねー。だって、攻撃は最大の防御ってい言うじゃん。あー、思い出したら笑えてきた。

「ぶふっ。」

「なんだナナシ。ニナから拾い食いするなと言われただろう。」

「うわぁ、馬鹿にしてるよこの人。」

「解剖されたいか。」

「ストップ、ストーップ!!昔のこと思い出してたんです!」

「昔…」

「『生意気だな。』初めて会った時、テオせんせーに言われたんですよー。」

悲しかったんですからねーなんて言ってみる。本当は、殺意に満ち溢れてたんだけど。

「部屋に入った途端、お前が攻撃してくるからだろう。」

「仕方ないじゃないですか。他所との抗争で、昂りまくってたんですから。」

「…お前も何処ぞの猿と一緒だからな。」

「酷!?ニコラスよかましですー。」

「変わらんだろうが。」

昔の話がお気に召さなかったのか、ずいぶんと機嫌の悪いテオ先生。今こうやって一緒に住んでいるが、昔はニコラス同様言うことを聞かない困ったチャンだったから。

「あの頃は若かったなー。」

健常者なんて信じてなかったしね。

「年寄りくさいな。」

「どうせなら、センチメンタルって言ってくださいよー。」

「お前に似合わん。」

「テオ先生、私のこと何だと思ってます?」

「猿2号。」

「だから、ちげぇって言ってんでしょ。」

おっと、イラッとして少し言葉が悪くなってしまった。おかげで、先生から嫌な目で見られてる。

「そんな目で見ないでくださいよー。ナナシかなしー。」

「…」

「むっ! 無言って何ですか、無言って!?」

「生意気なのは変わらんな。」

「…絶対馬鹿にしてる…」

思えば、最悪な出会い。あの殺伐とした出会いから、此処まで来たことにびっくりだ。

「なんだかなぁー」

「…落ちたお前が悪い。」

その通り。あんだけ毛嫌いしてた健常者に惚れた、私が悪いに決まってる。



在りし日に嗤う


(なんで直ぐ人に医療器具向ける奴、好きになったんだろー)

(俺のセリフだ。)

(…ホントなんでだろ)




あとがき
久しぶりに書きました。

一向に定まらない自分のキャラ設定に、涙ちょちょぎれそうです。というか、燭先生ぽっくなってしまった。いや、私の知ってるお医者さんがこんな人ばっかりだった…


駄文でしたが、読んで下さってありがとうございましたあぁあぁぁぁ!!!!!!


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