忘却
「何をしていらっしゃるのですか?」

澄んだ声が俺の耳に届いた。

「書を読んでいるところだ。」

手にあるものから目を離し、声の主を見る。

「どのような書物なのですか?」

首を傾けるのと同時に、さらりと揺れる黒髪。おそらくそれは煌で最も美しいだろう。

「新しく手に入った歴史書だ。」

国に帰る手前で偶然手に入れた物。内容は実に興味深い。

「珍しい物が手に入ったのですね。」

はにかむナマエ。些細なことでさえ今の様に喜ぶ彼女を、俺は手放すことはない、この先も…

「紅炎様?」

たとえ、

「どうした。」

ナマエが

「何をしていらっしゃるのですか?」

「…書を読んでいるところだ。」

忘れてしまっても、



忘却




あとがき
初紅炎さん。よっしゃ、わかんないよこのお方!?

駄作でしたが此処まで読んで下さってありがとうございました!!

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -