Familie

コトコトとお鍋から音がし、スープの美味しそうな匂いが漂う。

目玉焼きをお皿に乗せると丁度トーストが焼けた。

「よっし、起こしてきますか。」

リビングから出て、階段を上がり二階の寝室へ向かう。

「ぐっすり…」

ベットにはまだ平門と與儀がシーツに包まっていた。平門の眉間にしわが寄っているのは
與儀の足がお腹の上にあるからだろう…

「2人ともー朝ですよー!」

「んんっ、ななし、ちゃん?」

先に起きたのは與儀。くりくりの瞳を瞬かせながら、まだ眠たそうにしている様は本当に天使。

「おはよう、與儀。」

「おはようぅ。」

「パパ起こすから、先に顔洗っておいで。」

與儀が部屋から出ていくのを見送り、もう一人を視界に入れる。

「起きてるんでしょう、平門?」

「くくく、拗ねてくれるな。」

予想通り、寝た振りだった彼。

「何時まで経っても意地悪なんですから。」

「今くらいしか、お前を独り占めできないだろう?」

普段からの甘い笑顔は、寝起きの力も加わって威力が凄まじい。

「あうっ、」

「何だ、顔が真っ赤だぞ。」

「朝ごはん出来てますっ!!」

階段を駆け下り、與儀が待つリビングへ入った。

「遅いよ、ななしちゃん!!」

「ごめんね、與儀。でもね、ママって読んでくれるかな?」

「やっ、ごはんごはん!!」

可愛らしいのに返事はNO。どうしてこう育ってしまったのかしら…

「おはよう。」

「あ、パパおはよう!!」

「あれ、何でパパはパパなのかな?え、ママ泣いていい?」

「何を言ってるんだ?」

「ごーはーんー!」

色気駄々漏れの旦那と可愛らしい子ども

なんだかんだ幸せな日々を送っています。


Familie

(ななしちゃん、ゆっきん買ってー。)

(パパに頼みなさーい。)

(…羊を連れて帰って来る。)


あとがき
本当はもちょっと違うものにする筈が力尽きてこうなりました…

出演
平門=夫
女主=妻
與儀=子ども

此処まで読んで下さってありがとうございました!!!!

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