I want you,
一人の人間が起こせる奇跡って、一体どれだけなんだろう?

奇跡とか運とか正直俺にはよく分かんないんだけど。やっぱり限りがあると思うんだ。

「ななしちゃーん!!」

「あれ、與儀じゃん。」

「隣座ってもいい?」

「いいよー。」

この子はななしちゃん。おんなじ貳號艇の闘員で、えっと、その、俺の好きな子なんだ!!

い、言っちゃった!?恥ずかしいっ!!けど、俺の気持ちは…

「ねぇ、ななしちゃん!今度のショー何だけど、その、一緒にキャンディーバー配らない!?」

「ごめんねー與儀。无君たちの護衛に就かなきゃだめなんだよねー。あ、代役はじっきーにでも頼んどくよ。」

片道通行、なんだよねー。しかも君からの返事は、代役の喰君。

胸がすっごく、ぎゅーって痛い。断られたのは、任務だから仕方ないけれど…ななしちゃんの口から他の男の子の名前なんて聞きたくない。

『ななしちゃんに出会わなきゃよかったのかな。うーん、なんだろう。そんなんじゃなくって、この苦しさも愛おしいかも…』

「そう言えばさ、平門がまた燭先生怒らせたんだってー。」

「そ、そうなんだー。」

やっぱり、気のせいだ…一生ぶんの奇跡をぜーんぶ使いきって、ななしちゃんを振り向かせたい!君の心が欲しい、俺のこと好きになって欲しいんだ!!

「そうだ、ニャンぺローナショップ今度連れてってよ!」

「え、ニャンぺローナの!?えっ、え、ななしちゃんが?」

「悪いー?ショーの時の見てたら、好きになっちゃった!」

うわ、嬉しい。ほんとに。

「あ、照れてる!!」

分かっちゃってる!?あははは、だって顔真っ赤だもんねー。

ねぇ、ななしちゃん!君の一生ぶんの悲しみを、俺背負いたいんだ!!そしたら、俺の一生ぶんの幸せをそのぶん分けてあげるんだ。

「こ、今度の休みに、行こうね!絶対だよっ!!」


I want you, I need you, I love YOU!!!


あとがき
初與儀くんでした。彼の元気ハツラツ具合が表現できない。できていない!?

奇跡、というか運の量は無限だと思ってます!個人的にですが!!永眠するまでに、枯渇させちゃろうとあがいてます。

こんな感じでしたが此処まで読んでくださってありがとうございました!!!


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