君色に染まる


ふいに聴きたくなって、クローゼットの奥に眠っていたそれを取りだした。

「珍しいね、平門がこういう曲聴くの。」

恒例になりつつあるななしとのお茶。休憩するのを見計らったように、俺の所に来るものだから追い返すこともできない。まぁ、そんなことするわけないが。

紅茶と焼き菓子。初めななしはコーヒーを飲んでいたが、いつの間にか俺と同じ紅茶を飲むようになった。

「そうだな。」

ここで冒頭のななしの言葉

いつもはしっとりとしたバラードを流す。メロディを気に入った物、歌詞を気に入った物、様々だ。



しかし、今日かけている曲はアップテンポで、歌詞の内容なんて分からない様な物

「なんかあった?」

「いや、久々に聴きたくなったんだ。」

「ふーん。」

あまり好きじゃなかっただろうか。ななしの反応は薄い。

「あんまり人気じゃなかったよね。」

「この曲か?」

「うん、他に何があるの?」

確かに、今日の俺はどうかしてるようだ。疲れてるのか?

「あの頃の主流はバラードだったからな…」

「あんまり好きになれなかったけどね。」

初めて知ったななしの好み。

「それじゃあ、いつも俺がかけているのは退屈か?」

「ううん、最近好きになったの。」

俺のおかげだと言う彼女

「でも、こういう曲も好きだなぁ。」

「今度何か紹介してくれないか?」

ななしの好みを、もっと知りたいと思った。そして、同様に俺の好みも―





君色に染まる



(次は紹介された曲と)

(コーヒーでも飲もうか。)




あとがき
前回のがアレだっただけに、どんなん書いていいか迷子になりました。

結果こうなった…


グダグダでしたが、読んで下さってありがとうございました!!!!


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