2: 神様の日常
私の目が覚めて数週間が経った。
あれから、覚えていないのかと尋ねられることはない。燭さんのおかげか、それとも平門さんのおかげなのか…
何の異常も感じられないが、未だに病室生活が続いている。燭さんやら療師さんが頻繁に尋ねてくるから、暇を持て余してはいない。
頻繁に訪ねてくる人の中に平門さんも含まれる。それなりの役職に就いている人だと耳にしたが、本当なのかと疑いたくなるほどやって来る。
「こんにちは、気分はどうですか?」
噂をすれば、だ
「こんにちは、悪くないです。」
「良くもない、ということですか?」
「…そうですね。」
平門さんは性格が歪んでると思う。しょっちゅう来られれば嫌でも気がつく。今だって涼しげな笑顔で、聞かなくてもいいことを聞いてくる。
あとは―
「不満そうなお顔ですね。」
「元からです。」
「そんなに俺が、お嫌いですか?」
さっきの表情から一変何処となく悲しい雰囲気と、何かに縋るような瞳それはほんの小さな変化だ。それでも
「…貴方は誰を見てるんですか?」
「っ!」
彼が息を飲んだ。
「今日は帰ります。」
お大事に、それだけ言って平門さんは出て行った。
神様の日常
(私を気にかけているようで、実際は―)
(そのアメジストに私は映っていない)
あとがき
目が覚めてからの生活が書きたかったんです!?
普段=日常
なんて安易なタイトルセンス…