1: 神様のイタズラ
Attention!
この『神様の…』シリーズのお相手は平門です。勝手な過去設定が入っています。
受け入れられない方はお戻りください。このシリーズをお読みになって、気分を害されたとしても責任を負いかねますことご了承ください。
バッチ来いや!!という方のみお進みください。宜しくお願いします。
by sweetie
「ここ何処…?」
知らない部屋。知らない匂い。
こんなの知らない―。
目が覚めたら知らない場所にいた。というか、何故気を失っていたのかも分からない。気がついたそこは、薬品の匂い漂う白くて広い部屋。
「本当に何処よここっ。」
自分に繋がれた幾つもの管。ベットの横に並ぶ器具たち。ここは一体何処?
「…」
「目が覚めたか?」
「貴方、誰?」
ふいに聞こえた声のする方を向けば、桃色の髪の男性が立っていた。男性はその衣服ですぐに医者だと分かった。
「覚えて、いないのか?」
「 ?初対面でしょう?」
私がそう言った瞬間男性の顔が悲しみに歪んだ。
『何この人? 変な人…というか、ピンク色の髪の人なんか早々忘れるわけないでしょう?』
それから今の気分を聞かれたりなど、簡単な検査があった。
私がななしと名乗った時のピンク色の男性 - 燭さんの悲しそうな表情が頭から離れない。
―ただ、今の状況に関する情報は何一つ教えてもらえなかった。
「何なのよいったい―」
日の暮れた部屋に自分の声が響く。誰の返事も返ってこない。当たり前だ、私以外誰もいないのだから…
「 何がそんなに悲しいんですか、ななしさん?」
「誰っ!?」
またいきなり声をかけられた。でも今度は燭さんの時とは明らかに違う。振り返りたい、だけど振り向いてはいけない。そんな気がしたんだ。
「 本当にっ、覚えていないんですか?」
体の奥底から絞り出されたような声。部屋に差し込む夕焼けに照らされたその人は、燭さんの比にならないくらい悲しい顔をしていた。
「どうしてそんなこと聞くの?」
心の中の何かが崩れた気がした。
「知らない!!ここが何処なのかも、貴方が誰なのかも!!知らない、知らない、知らない!?
私は何にも知らない!?」
堰を切ったように溢れ出た叫び。それと共に溢れる涙を止めることが出来なかった。
「もう大丈夫。」
その言葉が聞こえてきたと思ったら、扉の傍にいた筈の人に抱きしめられていた。
「うぅ、離して…」
その抱擁があまりにもきつ過ぎて咽返る私。
「それは出来ない相談です。貴方がこんなに苦しんでいるのに。」
そんなの構うもんかと言わんばかりに強まる腕の力。本気で危ない気がする。
「俺は平門です。貴方が覚えていないのなら、これまらまた知っていけばいい。」
「はっ、ごほ、ごほっ!!?」
急に緩められた力に、漸くまともに呼吸ができるようになった。肺に行きわたる酸素。目の前の人が何を言っているのか理解できない。
「そんな顔しないでください。」
「っ、」
「今はまだ―」
眠っていてください
私の意識はまた闇に堕ちて行った。
神様のイタズラ
(必ず貴方を守ります。今度こそ―)
(それは闇に堕ちる寸前に聞こえた切実な願い。)
あとがき
はじめてしまいました! シリーズもの…どうなるやら…
兎に角っ!挫折せんようがんばりやす!読んで下さったお嬢さん方!ありがとうございました!!