平行線をたどる

「ちょっと、時辰。」

「なんだななし!!」

「なんだ、じゃないでしょう。降りてらっしゃい。」

絶対零度の頬笑みの愛する妻ななしが、脚立の下から声をかけた。

「今度は一体何を作ってるの?」

「ななしも知っているだろう、機動戦「興味なかったわ。」…。」

嬉々として答えた僕を、彼女はバッサリと切り捨てる。

「ねぇ。」

「な、なんだい?」

「部屋を片付けたのは何時かしら?」

「えっと、一週間ま「一昨日よ。」」

あぁ、またやらかしてしまった。興味がある物には何でも手を出してしまう僕。叱るのは何時もななしだ。

「二日でよくここまで元に戻せるわね。」

「いや、えっと。」

「可愛い、可愛いメイドちゃんたちが頭を抱えてるの。」

「すまない…」

「もう、」

「本当にすまない。」

どんよりとした雰囲気が辺りを包んでいる。今にもななしの溜息が聞こえてきそうで、内心ビクビクしている。

「仕方ない、一緒に作っちゃいましょう。」

「えっ?」

返ってきたのは意外な言葉。僕は思いっきり間抜けな声を出してしまった。

「だってその方が早いでしょう。」

「てっきり、こいつは捨てられるのかと。」

「何言ってるの?中途半端に投げ出すわけないでしょう。」

「そうだな!」

「ほら、そこの工具取って。」


平行線をたどる


こうして彼女が甘やかしてくれるから、治らない僕の短所。


(できた!)

(圧巻だな!!)

(お二人ともいい加減にしてください!?)


あとがき
これは、甘やかすと言ってよいのでしょうか…そして、あれが短所だと思えないsweetieです。書いておきながら、疑問を感じまくっております。はい。一般的に短所なのかな…

拙い物でしたが、読んでくださってありがとうございました!
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