マッドハッターの茶会
久々の休日。とは言っても外の任務がないだけで、書類制作はあるんだが。
さっさと終わらせてななしに会いたい。此処の所任務続きで、ななし不足は深刻だ。
コンコン
ふとノックの音がした。まだ任務に出た闘員が帰ってくる時間ではない。
「平門、入ってもいい?」
検討外れもいいところ。少しだけ開いた扉から、ちょこんと顔を出したのは俺の愛おしい人
「あぁ。」
短い返事を返せば、待ってましたと言わんばかりに顔を綻ばせ入って来るななし
『ふっ、可愛らしいな。』
先程まで何も感じなかった自室が、一瞬で色鮮やかになる。そう思えるのは、俺がななしに心底惚れているからに他ならない。
「書類いっぱいあるね。」
せっかくの休日なのにとななしの表情が曇る。あぁ、そんな顔しないでくれ。
「羊に紅茶を淹れてくるよう、頼んでくれないか?」
「へっ?」
「丁度休憩するところだったからな。」
「うっ、うん!!」
俺の提案を聞いたななしは、また花開いたような笑顔を見せた。
マッドハッターの茶会
(平門、羊がケーキも持って来てくれたの!)
(ははは、良かったな。)
あとがき
甘いって何でしょう。