Letters
Tell me that you'll never ever leave me
Tell me that you really really love me
Then you go ahead and leave me
How the hell do I go on
「起きるメェ。」
羊が起こしに来る。貴方が居なくても、新しい1日が始まる。
「ちょっといいかしら、ななし!」
「どうしたのイヴァ?」
「報告書書いたんだけど、もう次の任務に行かなきゃならないの。悪いけれど、平門の部屋に持って行ってもらえないかしら?」
「ふふ、イヴァは引っ張りだこだね。わかった、任せといて。」
「ありがと!お土産奮発しちゃうわ!!」
「気をつけてね!!」
先ほどイヴァに頼まれた報告書を持って、平門の部屋へ向かう。あぁ、最後に彼とこの部屋で会ったのはいつだっただろうか?
辿り着いた彼の部屋の前で深呼吸する。
『昨日帰ってきてたよね。』
淡い期待を胸に僅かに震える手でノックをし、ドアノブを回す。
「平門、イヴァから報告書を預かってきたの。平門?」
開けた部屋には何の気配もなく、彼が任務に出た日から変わらない部屋があった。
「平門なら任務に行ったメェ。」
「そっか…教えてくれてありがとう。」
羊に告げられた事実に落胆しながらも、目的を果たすべく部屋に入った。
『机に置いておけばいいよね。 あっ。』
そう思って彼の机に近づいて、それが目に入った。
『まただ。』
そこにあったのは白い封筒。表にはしっかりと『Dear.ななし』と私の名が記されている。
内容はなんてことない。彼が任務に出向くと言うことだけ。言葉を交わす機会の少ない私たち。それを考慮した結果がこれ―置き手紙。
本当に急ぎの時は無いけれども、大抵こうやって彼は机の上に置いていく。私が来るのを見越したみたいに。
『ねぇ、平門。そろそろ、手紙の枚数の方が会った回数より多くなるよ…』
この部屋に来ると、いつも机の上に彼からの置き手紙。私たちの関係ってなんだっけ?シャツの上からでもいいから、貴方の熱に触れたい。だって覚えているのは最後の1行
(必ず帰る)
忘れてしまった熱に泣けてしまって、直ぐ近くのソファに倒れこむように身を投げた。
『おかえりって言いたいよ、平門。愛してるって抱きしめて欲しいよ。』
込上げる寂しさから逃げるために目を閉じた。
『夢でなら、会えるよね?』
「んっ、」
どれくらい時間が過ぎたのだろうか。少しひんやりした空気に寒さを感じて、意識を戻した。
「起きたかななし?」
まだ鮮明ではない意識の中、聞こえてきたのはずっと求めていた声。
「まだ、寝足りないのか?」
久しぶりに会えたのに平門の声を聞いた瞬間、安堵とも何とも言えない感情で心が満たされた。おかげで言いたいこと、話したいことは沢山あるのに、また意識が朦朧としてなかなか口にできない。
「ひら、とっ?」
「あぁ、俺だ。明日は艇に居るから、まだ寝ててもいいぞ。」
『やだ、話して、たいよっ』
そこまでで私の意識はまた沈んでいった。意識の端で彼が『ただいま』と言った気がした。
Letters
(今度居なくなる時は)
(何もいらないと伝えよう)
あとがき
書いてて思った。この曲って、よく家を空ける男に対して手紙のせいで踏ん切り付けらんない女の心情じゃないか?あれ、だったらいろいろ違うぞ…
因みに、最初の英文は『私を絶対に離さない(別れない)って言って。私のことを本当に愛してるって言って。そしたら、貴方は私を置いて行ってもいいから。なんて酷い道を私は歩んでるの?』だと勝手に解釈しちゃってます。雰囲気掴めれば後は意訳しちゃう生物
sweetieでごめんなさい…
いつも通り、やっちゃった感満載でお送りいたしました!ご一読ありがとうございました!!!!
inspired by "Letters"