デミグラスの香り
凄く短い。


ただいまと自宅の玄関を開けた瞬間、鼻腔を擽るデミグラスソースの匂い。今日の夕飯が洋食であることが分かり、心なしか顔が緩む。丁度ワインを買ってきたからだろう。

「おかえりなさい、平門さん!」

パタパタとスリッパを鳴らし、出迎えに来たのは同居する彼女。身に付けた淡い桃色のエプロンが可愛らしい女性だ。

「ななし、今日は洋食みたいだな?」

「うん!蛸のマリネに冷たいジャガイモのポタージュ。メインはハヤシライスです!!」

俺から鞄とジャケットを受け取り、2人でリビングに戻る。途中で嬉しそうに献立を述べるななしを見て和む。これだけで一日の疲れが飛んでいく自分は安上がりな人間だと常々思う。

「豪勢だな。いいことでもあったのか?」

「スーパーでね、今日は洋食の日で蛸の日でもあるってのぼりを見ちゃって。」

「…そうか。まぁ、丁度ワインを買って来たんだ。」

はりきってみましたと笑う彼女は、間違いなくスーパーの戦略にやられた人間だ。そのうち変な物を買ってきそうで気が気ではない。だが、そこは惚れた弱みと言うやつで、強く出れない自分が居る。とりあえず食べながら、訪問販売だけ注意するように言い聞かせよう。

デミグラスの香り


あとがき
短くなっちゃいました。自分でショックです。

8/8は洋食の日で、蛸の日でもあるようです。代表的な洋食のハヤシライスでハヤ=88。蛸の足が8本。そこから来ているそうです。髭の日でもあるんですが、カーニヴァルだと療師だけだしなー。

こんなんでしたがお目通しありがとうございました!!!

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