過ちから始まる
「なんだ、この状況…」

寝苦しくて目を覚ませば、目の前には人肌。ちょっと待て、私とそんな関係の奴はいない筈だ。一気に覚醒した頭をフル回転させ昨夜の出来事を思い出す。昨夜は壱號艇の奴らが遊びに来たからと言ってパーティーを開いた。私はイヴァと朔に煽られ、無茶なペースで酒を飲んでいた気がする。恐らく、酔った勢いの過ちだ。

『人間心底驚くと機能停止に陥ると聞くが、体験したのは初めてだな。』

そこまで事態が飲み込めると、気持ちも落ち着いてくる。此処で漸く、そろそろ三十路の女を抱かせてしまった相手のことを思い出した。一体誰を巻き込んでしまったのやら。平門や朔ならば年が同じだからまぁ、良しとしよう。しかしこれが與儀や花礫の場合、最悪だ。若い子を食べたなんてイヴァに知れてみろ、それこそいい玩具ではないか。

『さて、一体誰なのやら…』

少し身体を離し、相手の顔を拝んでやろうと自分の顔を上げた瞬間絶句。

「1人で百面相とか、本当に面白いですねななしさんって。」

「黙れ。何でお前なんだ、と言うより何時から起きてた、喰。」

なんとまぁ、自分も見る目が無い。よりによってコイツだったとは。しかも顔を上げた瞬間目に入ったのは、此方を面白そうに見つめる喰の顔。そして第一声が先の一言。何て奴と寝たんだ昨日の私!?

「ななしさんが起きた時に僕も起きましたよ。気付いてなかったんですか?」

「最悪だな。で、何で私はお前とこんなことになってる?」

「やだな、忘れちゃったんですか?歳ですねななしさん。」

本当に何でこいつなんだ!人をおちょくりおって、こっちは明日からの平和な生活が掛っているんだぞ!?

「ちょ、謝りますから。そんなに睨まないでくださいよ。」

「悪いと思ってるんなら、さっさと答えろ。」

「僕の扱い酷くないですか?昨日はあんなに可愛かったのに。」

「思い出し笑いか、気持ち悪いな。その記憶ごとお前の存在を滅するか…」

「本気じゃないですよね?え、ななしさん?」

冗談なわけないだろうと動いた瞬間、腰に痛みが走った。声にならない悲鳴を上げて、そのままベットに倒れこんだ私。ギシリとスプリングの音がして上から喰の声が降っていた。

「急に動くからですよ。」

「くそがっ。」

「あーななしさん?」

「何だ変態。」

「変態って…まぁそんなことより、これって僕らにはお似合いの始まりだと思うんですけど、」

過ちから始まる

(付き合いましょうよ。)

(断る。)


あとがき
こんな感じで始まったら、何処に行きつくんでしょうか?

駄作でしたが此処まで読んで下さってありがとうございました!!!

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