最終電車のプリンセス
現パロ
終電を待つプラットホーム。まだまだ時間はあるから、人気は少ない。
「ななしちゃん、今日楽しかったね?」
「うん!全部行きたかったとこばっかりだった!!」
『それは、ほら久しぶりの休日だから、ね?素敵な彼氏で居たいから、イヴァさんとツクモちゃんに協力してもらって
徹底リサーチしたんだよ!!』
荒ぶる心は言葉にはせず、よかったと微笑みかけた。
「でも、あの映画観れてよかった〜。」
「ずっと観たいって言ってたよね。」
本日のメインはななしちゃんがずっと気にしていた恋愛映画を観ること。僕は恋愛系はいまいちピンとこないんだけど、中盤から泣いてしまった。本当は、見かねたななしちゃんがハンカチを差し出してくれたことにも感極まって涙に拍車をかけたんだけどね…
「最後の2人がキスするシーンとか、もうキューンって!!」
映画を思い出しうっとりしている横顔は本当に可愛い。だから、あと少しで来る電車に彼女を連れて行かれたくない。
「もう直ぐだね、喰君…」
ホームにアナウンスが響き渡り、さっきと打って変わった元気のない声でそう告げられた。
「ななしちゃん。」
帰って欲しくない。帰したくない。
でもいつも駄々をこねて予定を変更してもらっているから、今夜はカッコよくいってみようと思う。だから、そんな僕を見ててね?
「きゃっ。」
引き寄せて、ちょっと強引にしたキス。ななしちゃんは人目を気にしているのか恥じらいながらも、目をつぶってくれた。
「おやすみ、ななしちゃん。」
とびっきりの笑顔で、電車に連れて行かれる彼女を見送った。
最終電車のプリンセス
(やっぱり、次は甘えよう!!)
あとがき
うわっほっほーい。
最初は與儀君で書いてたんですが読み直してみて、喰はんになりやした
こんなんですたが御一読ありがとうございました!!!
inspired by 22時までのシンデレラ