梅雨とコンビニ
現パロ設定です。



窓の外は雨。梅雨時期だから、窓を叩くようなそれではない。かといって途切れることなく毎日聞いていれば憂鬱にもなってくる。

『久々の2人揃った休みなのにな…』

隣同士くっついて座っている平門の肩に頭を載せ悶々と考える私。何も言わない彼は、ここぞとばかりに溜め込んでいた本を読んでいる。

雨の音とページを捲る音、そして時折の溜息。音はそれだけで、少しばかり侘しい。

『この時期ならではの情緒なんだけど、つまんないなぁ。』

絶賛読書中の平門の邪魔をするわけにもいかない。気分転換にコーヒーでも淹れようともたれていた体を動かした。

「ななし。」

「コーヒー。平門もいる?」

読んでいたハードカバーから目を離していたので、休憩かなと思ってコーヒーを飲むか聞いてみる。何気なく単語会話している所に気付いて、キュンとしているのは内緒。

「いやいい、それより少し出ないか?」

「えっ、うん…」

吃驚したのはコーヒーを断ったことにではなく、雨の日にわざわざ外に出ようと誘われたこと。

「むしむしするね。」

「梅雨だからな。」

レインブーツの私と普段の靴の平門。滲みてないのかなとか、色々不安だ。

「濡れていないか?」

「大丈夫。」

くっついていたくて、大きめの青い傘で相合傘。やはりというか、周りには誰も居なくて
人目を気にする心配がなかった。

「何処か行くの?」

「行きたいところはあるか?」

行先は決まってなかったらしい。彼にしては珍しいななんて思いつつ、長時間当てもなく歩く気にもなれないので行き先を考える。

「あっ、」

「どうした?」

「大通りに出る道に、新しいコンビニができたんだけど…行ってもいい?」

「そうだな、行ってみるか。」

平門とコンビニ。なかなか結び付けられない。コンビニで平門がお弁当を見ている所を想像して笑った私を、傘を持ち直した彼が不思議な顔で見た。

「明日は仕事?」

「あぁ、燭さんと会議でな。」

「それって朔も居るの?」

「あれでも役付きだからな…」

「うわー、燭さんご愁傷様です。」

2人苦笑しながら目的のコンビニを目指す。さっきまでの憂鬱さは、いつの間にか吹き飛んでいた。

「ななしはどうなんだ?」

「私も仕事。无君と一緒にメニュー考えるの。」

「今時期だったら、梅か。」

「そっ、梅酢でさっぱり系にしようかなって。」

「楽しみだな。」

あの角を曲がれば、直ぐに目的地。明日の予定は話したし…次は何を買うか2人で悩もう。

梅雨とコンビニ

(どちらにするか…)

(ぷっ、やっぱりに合わない。)


あとがき
復帰作!?空梅雨ですが季節っぽくいってみました!

コンビニ出したかったので現パロ設定…

駄作でしたが此処まで読んで下さってありがとうございました!!!

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