焼き菓子の誘惑

「もちゃ、もちゃ。」

「ななし、何を食べてるんだ?」

ふと談話室に入った俺は、闘員のななしを見つけた。どうやら何か食べているらしい。

「んく、ツクモのお土産です。平門さんも食べますか?」

「甘そうだな。」

綺麗にシュガーコーティングされた焼き菓子。

「だって、お菓子ですもん。」

それを載せた皿を、どうぞと言わんばかりにななしは差し出してくる。

「いや、いい。」

「せっかくのお土産なのに残念。」

何故か考え込むななし

「ななしが食べるといい。」

「平門さん、あーん。」

何をとち狂ったのか、ななしはお決まりの文句と共に、菓子の刺さったフォークをこちらに向けている。

「なーん、え。」

「甘いな。」

口にしたそれは、想像していたよりも甘く額に皺が寄った。俺が食べると思っていなかったのか、ななしは固まって動かない。

「…食べちゃった。」

「そのつもりじゃなかったのか?」

「本当に平門さんがやるなんて思わないですよ、普通。」

恥ずかしかったのか語尾が小さくなっていく。なんて可愛らしいのだろうか。

「ふふっ、真っ赤だぞ。」

「ばーか。」


焼き菓子の誘惑

(そろそろ機嫌を直せ。)

(…)

(平門、ななしに何をしたの?)


あとがき
久々のカーニヴァル。今年初めての平門さん。

アニメが待ち遠しいです。でも、きっとリアルタイムで観れない…ショック!!!!

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -