二人の世界
お昼時、窓の外からは陽気な日の光が差し込んでいる。うららかなその様は、絶好の昼寝日和。


『なのに・・・何をやっているんだろう。』


こんなにいい日なのだからぜひ昼寝をしたい。だけど頭どころか、体全体に広がる倦怠感を拭えずアレックスは一人アパートでぐったりしていた。


「もう大丈夫なのに、」


怖いもの何もないはずだ。テオ先生からもらっている薬だってきちんと飲んでいるんだから。甘えきっている今の現状を考えたら心は重いけれど、それは今のような心的物には影響を及ぼしていないと思っている。これは薬のせいだ。


「でも、私って・・・なんで生きてるの?」


「そりゃ、アレっちゃんがアレっちゃんだからじゃないか?」


独り言に返事が返ってきて大いにびっくりしている。しかも、この声は家主のものじゃない。


「なんでいるんですか?というかどこから入ったんですか?」


「なんでって、ちょうど目の前を通ったからだな。」


ちゃんと玄関から入ったぞと自慢げに言う彼はいつものようにきちっとしたスーツを身にまとっている。


「ナナシさん、仕事中じゃないんですか?」


「アレっちゃんが暇なら俺も暇さ!」


「どこのナンパ野郎ですか・・・」


「おーう、そうゆう目で見ちゃう?」


にやりと笑いながら手を伸ばされた。一瞬体が縮こまったけれど、その手が私の頭に乗ってゆっくりと撫でてきたから今度は思考が止まった。


「具合悪いんだろ。寝てな。」


「っ、大丈夫、です。」


「本当か?」


ジッと見つめられたら、実際に不調なんだから何も言えない。けれど正直に言うのもイヤだったので無言を通していたら、急に手をひかれた。


「な、何するんですかナナシさん!?」


「何って?具合悪くないんだろ?じゃあそんな顔してないで笑っていこうぜ!」


にこやかなナナシさんにクルクルと回される。


「ほら、アレちゃん!ステップ踏んでさ、靴鳴らしてこう!!」


「ステップって、そんなっ」


「適当にそれっぽいことやってりゃいーの。」


ダンスはこんな感じだっただろうか?あいまいなままステップを踏む。ナナシさんは笑ったまま文句も注文も付けてこない。足思いっきり踏んでるのに・・・


そしてまたクルクルと二人で回り始めた。


「どうよ。少しは気分晴れたか?」


『お見通しなんだ・・・』


「無理はしなくていい。ダメな時は駆けつけてやるから、こうやって踊って忘れちまえ。」


遠心力に身を任せる中、私は彼の笑顔から目が離せなかった。





回る二人の世界


(教えてくれてありがとな、美人さん)

(にゃあ)



あとがき
神出鬼没な人ですが、決してstkではないと私は信じて書いてます。美人な黒猫ちゃんが教えてくれたんだと・・・

この二人は書いててそのうち犯罪臭くなるんじゃないかとても心配です。
それ書いてんのお前だけどなって突っ込みが各所から聞こえてきます。すみません!?
私はアレっちゃんに幸せになってほしいだけなんだ!!!!!

なにはともあれお目汚し失礼しました!!!
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