君の笑顔を護りながら
初めて見たのは、古い写真を艦長が見ていた時。


何度目かの時に、思い切って聞いてみました。幼馴染の女性と教えてもらった彼女は、綺麗な黒髪の素敵な方。


それから、たまに彼女の話を聞く様に。


『秋ちゃんって呼んでたんだ。』


『男勝りでさ、渾名がゴリラでね。』


『虫が苦手だったんだ。特に蛾とか。』


秋田さんの話をする艦長は、いつも笑顔。


昔を懐かしむように、それでいてどこか悲しげな。優しい、何処までも優しい笑顔。いつもアネックスのクルーに向けられるそれとは、全く違うものです。


彼女にだけ向けられた笑顔。


艦長、いいえ、小町さん。
その笑顔に私は心奪われてしまったんです。


ティンさんにも、ミッシェルさんにも止められました。


でも、もう遅いんです。無理なんです。


「艦長―」


「おっ、どうしたナマエ?」


「私、がんばります・・・」


貴方の笑顔を守るためなら、どんなことだって出来るように。




(私じゃなくてもいい)


(その事実に目を瞑りながら)


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